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変わる住宅観~新世代の賃貸オーナー(2ページ目)

前回は昨今好調な賃貸住宅事業を「業界・企業サイド」から見ましたが、今度はその客である「オーナーサイド」からトレンドを見てみたいと思います。相続税改正や生前贈与枠の拡大も後押ししてか、最近の賃貸オーナーは高齢層でなく30-40代の次世代オーナーも増加。そうした次世代オーナーは賃貸経営にどんな価値を見出そうとしているのか、事例をいくつかご紹介します。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


――建築にあたり、どんな点にこだわりましたか?

賃貸だから自分のこだわりを発揮できる?

キッチン

赤のキッチンで「賃貸だからできるこだわり」を実現。

一般的に、自分の家を建てる時って、意外と好き嫌いの無い無難なものになりがちですよね。ご主人や親御さんの趣味もありますし。でも賃貸ってもっと自由に自分の夢を実現できるんだと思いました。ラシーネでは1階に真っ赤なキッチンをもってきましたし、サロンのドアにはステンドグラスをはめこんで、ヒーリング効果を高めるために水晶などの石をあしらったりして、女性ならではのトキメキ心をちりばめました。

――こだわられた分、大変だったこともありましたか?

そうですね。他のオーナーさんもそうだと思いますが、家や賃貸を建てる人は初心者でもありますし、自分の想いを100%表現したり、営業の方に伝えるって難しいですよね。でもこのラシーネを建てる時は、出来るだけ想いに近づけたいと思って、パナホームの営業の方やインテリアデザイナーの方と何度も何度も打合せしました。

――ご友人やご近所、入居者からはどんな声を聴きますか?

遊びに来た友人が部屋を予約していく!

部屋

女性にうれしい壁ミラー付きのカウンターがある

お友達やサロンのお客様は一様に「すごい素敵!」と感動して、遊びに来たのに「ここの賃貸、予約していっていい?」と皆そろって予約していきます(笑)。そのくらい女性を惹きつけるんだと思います。

ここは3面道路に建っているのでどこからも目立ちますし、白く光るキラテックのタイル貼り外観も、お友達や街行く方々の目を惹きつけるのだと思います。「素敵ですねー」とご近所の方にも言われると、街のためにもお役に立てているなんて本当にうれしく建ててよかったと心底思いますね。

――今後この賃貸をどんなふうにしていきたいですか?

見学したラシーネ井の頭は、女性たちが一度は住んでみたいと思うエリアに建ち、一度はこんなお部屋に住んでみたいと思う賃貸コミュニティが実現していました。この「ラシーネ五條」も、「一度は住んでみたい」と言っていただけるような賃貸にしていきたいですね。

「賃貸はオーナーでなく入居者が評価するもの」

茶室

サロンに設けられた茶室コーナー。こんなところに地域文化とオーナーの趣味が表現される

賃貸というのは、オーナーの私が評価するものでなく、本来は入居者の方が評価するものだと思うんです。サロンに来たお客様がそのまま部屋の予約をしていかれたり、この前も入居者の方がご両親といらして「ここなら安心できる」と笑顔で帰っていかれました。

せっかくサロンをつくったので、週末などイベントもしていきたいですね。そんなふうに、ただ入居者の回転率や効率だけを重視するのでなく、私のようにオーナー自身も趣味をそこで体現したり、入居者の方とそこに住む価値を分かち合ったりできる、そんな賃貸が増えていくといいなと思いますね。
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