METライブビューイング『メリー・ウィドウ』
2月21~27日=東劇、新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマほか
『メリー・ウィドウ』(C) Ken Howard/Metropolitan Opera
これは必見! 世界最高峰の歌劇場の一つ、メトロポリタン・オペラの公演が映画館で配信上映される「METライブビューイング」で、ミュージカルのルーツと言われるオペレッタの傑作『メリー・ウィドウ』が上映されます。
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『メリー・ウィドウ』(C) Ken Howard/Metropolitan Opera
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『メリー・ウィドウ』(C) Ken Howard/Metropolitan Opera
「METライブビューイング」のお約束、バックステージ映像から始まる配信映像。今回の司会役、メゾ・ソプラノのジョイス・ディドナートによる作品解説に続き、舞台監督がマイクで「マエストロ、ピットにお願いします」とキューを出し、臨場感たっぷりにオーケストラピットへと映像が切り替わります。誰もがどこかで聴いたことがあるだろう流麗なテーマを含む序曲が演奏され、舞台はベル・エポックのパリへ。(架空の小国)ポンテヴェドロ国の公使が「裕福な未亡人ハンナが外国人と再婚したら国家にとっては多大な損失だ、これを食い止めなければ」とハンナと昔の恋人、ダニロを復縁させようとしますが、“いい大人”になった二人はなかなか素直になれず…。そうこうしているうちに、公使の妻は人知れずパリの色男と恋仲に。ハンナとダニロの恋の行方、そして公使夫人の火遊びの結果は?
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『メリー・ウィドウ』(C) Ken Howard/Metropolitan Opera
いっぽうで、ブロードウェイ・スターのケリー・オハラは3幕で“酔っぱらいながらのフレンチ・カンカン・ダンス”に大奮闘、また大学では声楽を学んでいたということで、オペラ歌手たちより若干線は細いながら、大劇場にふさわしい美声を響かせます。公使のアシスタント役を演じるブロードウェイ俳優のカーソン・エルロッドも、何かと失言しては「なんで俺はこれを言う!」と一人で突っ込みを入れる間合いが絶妙。主役コンビが昔の恋を思い出すデュエットや男たちが「女ってやつは困ったもんだ」と歌うコミカルソングは極めてミュージカル・ナンバー的で、オペラからオペレッタが生まれ、そしてミュージカルが誕生していった経緯を“体感”させます。歴史的な価値もたっぷりな今回のプロダクション、すべてのミュージカル・ファンにお勧めしますが、どうしてもこの期間はご都合がつかない場合、このシリーズは時折アンコール上映を行っています。メルマガ会員になっておくと、情報が入ってくることでしょう。
*次頁で『クリエ・ミュージカル・コレクション2』をご紹介します!