今一度、フランス車に注目を

シトロエンC4ピカソ

個性的なスタイルのミニバン、シトロエンC4ピカソ。3列7人乗りのグランドC4ピカソに加え、国内初導入の5シーターのC4ピカソをラインナップ。価格は347万~378万円

こんな年だから、輸入車ファンとしてはじっくり腰を据えて、この2年間で登場した多数の“新型車”たちを振り返ってみるのもいいと思う。ビッグネームが多数登場した裏で、話題にならなかったけれども乗り応えのあるモデルは多かったし、注目したい派生モデルも多い。

個人的には、今一度、フランス車に注目して欲しいと思う。ドイツ勢ばかりが目立ったここ数年、あまり目立つことはなかったけれど、その実、仏ビッグ3は、なかなか見どころのあるクルマを日本市場にも届けてくれた。
プジョー308

プジョーの基幹モデルとなるコンパクトハッチバックの308。PSAグループが開発したモジュラー型プラットフォームを採用。SWと呼ばれるワゴンモデルも用意し、価格は279万~339万円

筆頭は、プジョーだ。三ケタ数字のモデル名の末尾を“8”に固定してからというものの、華やかさこそない代わりに、フランス人的合理精神に満ちた実用車を“堅実”に送り出してきた。なかでも、208シリーズと308シリーズは、街中をちょこまか走るデイリーユースから、高速道路をバーンとかっ飛ばすホリデーユースまで幅広くカバーする実力派。

フランス車というと、どうしても“オシャレ”感が先に立ち、そのプラスでハードへの不安を相殺するというイメージが日本のマーケットにはあるけれども、今やそれは過去のハナシ。ヨーロッパ車のなかでも、フランス車こそ日本のクルマ事情に合っているとさえ、ボクは思っている。
シトロエンDS5

“洗練・大胆・伝統”というコンセプトで個性的な内外装をもつDSシリーズのフラッグシップ、シトロエンDS5。クーペスタイルにGTとワゴンを融合させたというエクステリアをもつ。価格は430万円

プジョーが大フランス主義なら、シトロエンこそ小粋なパリジャン。C4やC5といった主要モデルの賞味期限が近づいているとはいうものの、DS系やデビューしたてのC4ピカソあたりは、実にシトロエンらしいアヴァンギャルドさを湛えている。ドライブしているうちに、乗り手を蕩けさすような、非ニッポン感も露な懐深い乗り味を、いちどは賞味してほしい。
ルノーキャプチャー

ルノーの新デザイン戦略を採用したスタイリッシュなクロスオーバーモデル、キャプチャー。ボディ下部のプロテクターや2トーンカラーなどで個性を高めている。価格は256.9万~267.2万円

そして、ルノーもまた元気だ。日本のルノーといえば、“カングー&RS”ジャポンと揶揄されるほど、売れ線が両極端に振れていた。もちろん、今でも両シリーズの人気はテッパンで、特にRS系は“FF界のポルシェ”の異名を取るほどに走り派から支持を得ている。

ところが最近では、その“いいクルマ造り”が次第に浸透してきたのか、はたまた最新のユニークなデザイントレンドがウケはじめたのか、キャプチャーや素のルーテシアが人気だ。これは、パワートレインを最新世代としたり、欧州車の基本を味わうことのできるMTモデルを導入したりという、積極的な取組みが功を奏したというべきだ。

そんなルノーからは、おそらく、新型トゥインゴの日本導入もあるだろう。これはメルセデス&スマートと共同開発したRRの専用プラットフォームを持つ完全新設計モデル。新型スマートとともに、“小さな輸入車”ブームを作れるかどうか、期待がかかる。
ルノールーテシア

ルノーの基幹モデルとなるコンパクトハッチバック、ルーテシア。新デザインテーマ「サイクル・オブ・ライフ」を取り入れた初のモデルとなる。スポーティモデルのルノー・スポールも用意、価格は205.5万~317.8万円

2015年の展望、というよりも、フランス車に注目!という記事になってしまったけれども、目立つモデルがないということは、もうすでに日本市場で買うことのできる輸入車ラインナップが完成しつつあるということでもある。話題の新型車ばかりに目を捕われることなく、じっくり見渡すチャンスが2015年だと思う。

そして、2016年からは、次の世代に向けて、また大いなる飛躍を告げる、魅力的な新型車がたくさん登場することだろう。
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