バレエ/大人バレエのテクニック解説

大人バレエの技術解説16 「ロン・ドゥ・ジャンブ」

バレリーナと言えばターン・アウト。脚を外旋して動きます。軽々と脚を回旋させながら軽やかに踊れたらどんなに素晴らしいでしょう。ターン・アウトを強化し、股関節の動きを滑らかにするのに必要不可欠な動きが、ロン・ドゥ・ジャンブ。ロン・ドゥ・ジャンブにはいろいろな動かし方がありますが、代表的な二つの動きについて考えてみましょう。

執筆者:石島 みどり

ターンアウトを強化し、股関節の動きを滑らかにするのに必要不可欠な動きが、ロン・ドゥ・ジャンブ。

ターンアウトを強化し、股関節の動きを滑らかにするのに必要不可欠な動きが、ロン・ドゥ・ジャンブ。

ロン・ドゥ・ジャンブのロンは 「丸い」、ジャンブは 「脚」 という意味です。

脚で半円を描く動きで、動脚を一本の棒のようにして半円を描くものと、膝の位置を固定して膝から下で細長い楕円を描くものの、二つの種類があります。前者をロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール、後者をロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールと呼びます。

 


ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール

ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールのパール・テールは 「地面を通って」 という意味です。つま先を床から離さずに、半円を描くように床の上を滑らせます。バットマン・タンデュ・アン・ドゥオールでは、1番か5番ポジションから動脚を前方向へ出し、つま先を滑らせながら横を通り、さらに滑らせて後ろのポアント・タンデュにし、1番か5番ポジションに戻します。アン・ドゥオールは逆の方向から始めます。

ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールではなく、ロン・ドゥ・ジャンブ・ア・テールという呼び名がしっくり来る人もいるでしょう。ア・テールはチケッティ派の呼び方です。先生によって呼び方が違うと思いますが、どちらも同じ動きですので覚えておいてください。

ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールでの動かし方のポイントは、横から後ろの間45度のところは膝が上を向いているように使うと言うことです。特にアン・ドゥールで横から後ろへ持っていくとき、すぐに動脚を回旋させて膝を横に向けようとしますが、これでは正しいアン・ドゥールを身につける事が出来ません。後ろ45度は横だと思って粘って動かすようにしましょう。


ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール

ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールのアン・レールは 「空中で」 という意味です。メソッドによって動かし方が違いますが、代表的なアン・ドゥオールの動かし方を説明します。

動脚を2番アン・レール (45度) にし、つま先を軸脚のふくらはぎの真ん中に持って行きます。膝を固定したまま動脚のつま先を軸脚から離して少し前にし、そのまま2番アン・レールに伸ばします。軸脚のふくらはぎを動脚つま先で擦るような感じで使うときれいな楕円を描くことが出来ます。


ロン・ドゥ・ジャンブのコツ

パール・テールもアン・レールも、軸脚と上半身をふらつかせない、というのがポイントとになります。どうしても動脚の動きにつられて、軸脚と上半身がゆらゆら揺れてしまいがちですが、これを最小限に抑える必要があります。そのためには、上半身を上に引っ張り上げ、軸脚を下に押し下げる必要があります。

上半身は上に、軸脚を下にと、骨盤を中心に引っ張り合いをすることで強力な一本の軸が生まれます。その軸が生まれて始めて動脚が自由に動かせるようになります。

とても難易度の高い身体の使い方ですが、これなくしてターンアウトは得られませんので、ぜひ日々チャレンジしていただきたいと思います。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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