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1年を振り返ろう!家計総決算2014年版(3ページ目)

2014年は、4月の消費増税や景気などの話題が多く、それだけ家計環境が大きく変化した年であったと言えるのではないでしょうか? 2014年の家計環境を「収入」「支出」「資金運用」という3つの視点で振り返りたいと思います。パートナーと1年の家計を振り返る際の参考にしてください。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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2014年の家計の資産運用環境の振り返り

こつこつ貯金では、お金は増えない!?

こつこつ貯金では、お金は増えない!?

2014年の家計の収入と支出を振り返ってみると、収入は微増、支出は物価が上がったけれども、その分、節約をしたため、なんとか去年並みの貯金ができたという感じでしょうか。それでは、次に2014年の資産運用の環境を振り返ってみましょう。

■過去最低水準の金利を更新
まず、金利を長期金利(10年国債の応募者利回り)から見てみましょう。ここ数年、毎年のように、過去最低水準の低金利と言われてきましたが、2014年は、さらに金利が低くなり、0.5%を下回っています。銀行などの定期預金も、相変わらず低水準で、頼みのネット銀行の定期預金も、あまり魅力が感じられない状況となっています。預貯金では、ほとんど資産を増やせないというのが現実です。

10年国債応募者利回りの推移

10年国債応募者利回りの推移


■ますます広がる、資産格差
一方、2014年の投資環境を代表的な投資対象の指標(インデックス)で見てみると、国内株式では、日経平均株価が年初来7.2%上昇、TOPIX(東証株価指数)は10.4%、世界株式(MSCI、ACWI:除く日本)は7.5%、国内債券(野村BPI総合)は3.2%、世界債券(シティ世界国債インデックス:除く日本)は16.3%の上昇(11月末基準)で、どの資産に投資をしても、リターンを得られたという状況でした。国内株式、世界株式、国内債券、世界債券の4資産に分散して投資をした場合は、年初来9.35%のリターンとなります。投資をしていた人と、預貯金だけの人とでは、ますます資産格差が開いた1年だったといえるでしょう。

代表的な資産のインデックスのパフォーマンス(2014年11月末時)

代表的な資産のインデックスのパフォーマンス(2014年11月末時)

「インフレに預金は弱く、株式は強い」は本当?

家計進化論

今年(2014年)の1月から、NISA(少額投資非課税制度)が開始になりました。仮に2014年の年初に100万円の非課税枠を使って、4資産に分散投資をしたとした場合、9.35万円のリターンが得られて、税金がかからなかった計算になります。毎月25万円(年間300万円)の支出をする家庭で、消費税増税による負担増加は9万円ですから、その分、NISAを活用した投資によってカバーすることができたという結果です。もちろん、2014年の投資環境が比較的良かったから、という結果論でしかありません。けれども、収入が増えても、税金や社会保険料の負担、インフレなどを考えると、家計の大きな環境変化を節約だけで対処することがますます難しくなってくると予測されます。ますます、資産運用(ここでは、投資だけではなく、預貯金も含めて資産を運用するという意味)が、家計の重要ポイントになると思います。

環境変化の潮流を敏感に感じ取って、自らが変わらなければ、幸せな人生を送ることが難しい時代になった、と痛切に感じた1年でした。まさに、ダーウィンが進化論で言った、「生き残れるのは、変化に対応できる者」が、家計においても言えるのではないでしょうか?

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