心因性発熱の特徴

発熱

発熱だけでは、心因性かどうかの判断は難しい

精神的ストレスで37℃以上の高体温になることを、「心因性発熱」と言います。

通常、感染症などによる免疫反応からの発熱は、白血球から分泌されるサイトインというタンパク質、発熱物質と言われるプロスタグランジンによって起こります。しかし、心因性発熱は、免疫反応の関与がないので、血液検査などでも異常なく、解熱薬などの炎症を抑えたりする薬で熱が下がらないのが特徴です。

また、この心因性発熱には大きく2種類あります。

  1. 精神的なストレス、特に本人にとってかなりのストレスに伴って高熱が出る場合
  2. 慢性的なストレスが続いたり、いくつかのストレスが重なったりした状況で微熱が出る場合

その名の通り、何か心理的なイベントがある時または事前に発熱することが多いので、大事な用事の有る時に限って、急な発熱が起こるわけです。

発熱の検査

発熱のある病気としては、病原体による感染症、自分の体に対する免疫反応が起こってしまう自己免疫疾患、悪性腫瘍などが挙げられます。そのため、心因性発熱と診断するためには、まずはこれらの病気がないことを検査することが大切です。

検査では、超音波検査、X線やCT、MRI検査などの画像検査、体の中の炎症、ホルモンの異常などを調べる血液検査を行います。心因性発熱の場合は、検査でも特に異常はありません。

ただ、心理面では異常がありますから、発熱前にどんなストレスがあったかどうか、などを医師と詳しく話した方がいいでしょう。

さらに、発熱のパターンが大切になってきますので、毎日、体温をチェックし、解熱剤による効果、発熱以外の症状、現在抱えている問題点、発熱時に自分の周りに起こったことなどをメモしておくとよいでしょう。


心因性発熱の治療法

心因性発熱の治療は、発熱の原因に対する治療になりますので、いかにストレスを減らすかが重要です。

発熱が続いている場合は、体のエネルギーを使っている状態であるために、できれば安静にして、日常生活のペースダウンと十分な睡眠を確保することが大切です。ストレスが多い時の発熱ですから、なかなか忙しいことが多く、つい無理しがちでしょう。しかし、長い目で見た効率から言えば、あえて休むことも大切です。

また、幼少の子どもにとってストレスとなるのは、親と離れなければいけない場面です。たとえば、親の仕事でどうしても子どもを預けないといけない時に発熱します。

子どもの発熱は一時的なことが多いです。ただし、ストレスが続くと発熱が続くことになります。子どもも何らかのSOSを出しているのかもしれません。そんな時に気づけてあげられたらよいのですが、なかなか気づいてあげられないこともあります。

治療で重要なのは、「ペースダウンをするべきなのだ」と割り切ることです。感染症でもそうですが、発熱はある意味で「休め」というサインだと思うべきでしょう。筋肉の緊張も微熱などの発熱の原因になりますから、休息する時には、楽な姿勢で目を閉じます。

薬物療法としては、感染症などの発熱と違って解熱薬の効果はありません。むしろ、精神安定薬、抗うつ薬、睡眠導入薬が有効になります。しかし、これらは対症療法ですので、ストレスの原因を除くことが大切になります。

また、ストレスが原因になる他の病気を合併している場合、治りにくいことがあります。子どもであれば起立性調節障害、大人であれば頭痛、うつ病、そううつ病、パニック障害などを合併していることが多いです。

発熱は心身の変調のサイン。可能なら休みたいものですが、どうしても休めない時には長期間頑張りすぎず、中間点を見つけて、そこまでで休息する決断をしましょう。発熱が続くことで、心因性とはいえ、体の方も徐々に悪化していきます。心と体のSOSのサインには素直に従いたいものです。

いわゆる「医者の不養生」も、そのサインに素直に従わないのが原因なのかもしれません。


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