バリウム検査後に下剤を飲まない場合、便秘に苦しむリスクも

腹痛

バリウム検査後に仕事で下剤が飲めなかった……起こり得るリスクは?


バリウム検査(胃X線検査)後には、下剤を飲むように勧められます。では、すぐに下剤を飲めない場合や、そのまま下剤を飲み忘れた場合、どうなるでしょうか? 結論から言うと、便秘で苦しむリスクが高くなります。というのも、バリウムが長時間腸内に残っていると水分が吸収されて硬くなり、排出されにくくなってしまうからです。

ある研究結果では、バリウム検査後に飲水だけで下剤を飲まなかった場合、男性で4%、女性で11%が排便遅延をきたしたとされています。また、男性で34%、女性で41%が便が硬くなったというデータがでています。
 

重篤な経過をたどる「腸閉塞」「腸管穿孔」のリスク

たかが便秘、と思うかもしれません。しかし、バリウムの便が排出されないまま放置すると、消化管が詰まる「腸閉塞」や、消化管にあなが開いてしまう「腸管穿孔」などを起こすおそれもあるのです。

バリウム検査による腸管穿孔の頻度は、70万~50万に1件の割合とされているのですが、いったん発生すると重篤な経過をたどります。下剤を飲むだけでリスクを回避できるので、やはり飲むべきでしょう。バリウム検査後には、下剤を飲んで排便を促すことが大切なのです。
 

バリウム検査後の注意点・下剤の飲み方・下剤の効果はどれくらいで出るか

検査終了後には、速やかに多めの水で下剤を飲むようにしましょう。そして検査当日は、水分をできるだけたくさん摂ってください。水分を多めにとる理由は、バリウムが固まるのを防いで排出しやすくするためです。また、野菜などの繊維質の多い食事をとって、バリウムの排出をうながすようにしましょう。腎不全や心不全など、飲水制限がある方は、バリウム検査には適していません。

下剤の効果は通常、服用後2~6時間程度であらわれます。白っぽい便が出ますが、バリウムなので心配することはありません。

もし翌日になっても便が出ない場合や、下剤の効果が不十分だと感じる場合、また、お腹が張ったり腹痛がある場合には、医療機関を受診してください。
 

バリウム検査後の便秘や、下剤による下痢が辛い……バリウム検査が苦手な場合

バリウムを飲むと便秘になる。下剤により下痢がひどい。お腹が痛くなる。台の上で体位変換するのが大変、などのようにバリウム検査が苦手な方は、バリウム検査以外を考えてもいいかもしれません。バリウム検査以外でお勧めの胃の検査といえば、胃カメラです。超音波検査やCT検査は、胃や大腸など消化管の検査には適していません。

近年、バリウム検査の代わりに、胃カメラを希望される方が増えています。実際、医師の多くは、自分が検査を受ける場合、バリウム検査よりも胃カメラを選びます。バリウム検査と比べると料金がやや高いものの、診断能力が高く、組織検査もできるからです。

また、胃がんの原因となるピロリ菌の有無を調べることで、胃がんのリスクを減らすこともできます。ピロリ菌がいない場合、胃がんのリスクが低くなるので、検査の頻度を減らすことも可能です。自分の体質なども考えて、適した方法で検査を受け、健康管理に役立てるようにしましょう。

■参考文献
・新・胃X線撮影法ガイドライン
・日本消化器がん検診学会関東甲信越地方会
 
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