悪魔の橋と白雪姫城、世界遺産「セゴビア旧市街とローマ水道橋」
田畑と草原に浮かぶ石の船にたとえられるアルカサル。©YOSHIHIRO TAKADA/a.collectionRF/amanaimages
今回はマドリード近郊にあるスペインの世界遺産「セゴビア旧市街とローマ水道橋」を紹介する。
ひと粒で二度も三度もおいしい、セゴビアの町歩き
アルカサルのフアン2世の塔から眺めたセゴビア旧市街。中央の大きな塔はセゴビア大聖堂のもの
サン・ミリャン教会。ゴシックなどの派手な建物もいいが、ロマネスクをはじめとするシンプルな教会がまた美しい
50km圏内に「マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡」「アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区」「アランフェスの文化的景観」、100km圏内に「セゴビア旧市街とローマ水道橋」「アビラの旧市街と城壁外の教会群」「古都トレド」、200km圏内に「サラマンカ旧市街」「サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院」「歴史的城壁都市クエンカ」「水銀関連遺産:アルマデンとイドリ」だ。このうち特にオススメしたいのがトレドとセゴビアだ。
ローマ時代の水道橋と街並みの調和が見事
この水道橋は1884年まで約1800年にわたって使用されてきた。そして現在では水道管が通してあって、その中をやはり水が流れている。古いものを上手に活用して街と調和させる伝統は、いまなお生きている。
水道橋の「悪魔の橋」伝説
ローマ時代の水道橋。歩行者と比べると一つひとつの石の大きさがわかる
上部にはマリア像、下部には十字架が設置されている
この話は多数のバリエーションがあるようだが、共通しているのが「悪魔」。それほど中世の人たちにとって、この橋は信じがたい存在だったのだろう。