黒く重厚なボトルが醸す2つの男らしさ
ここではボトルに注目してみたいと思います。実は、2014年は黒いボトルで印象的な香りが2つありました。それは、どちらも名香を排出するブランドとして名高い、イッセイ ミヤケとブルガリです。まず、「ニュイ ドゥ イッセイ」からみていきましょう。フランスの芸術文化勲章を受章した巨匠ドミニク ロピオンとアジア人調香師のロック ドンの2人の調香師が担当しました。「夜の暗闇の中に差す光」がテーマでウッドとスパイスに包まれたレザーの香りです。
陰と光を表したガラス部分は細い縞が入ることで、水面に反射する月光と光輪を表しているそう。また、キャップはあえてマットな黒にすることで、水平線をイメージし、夜の情景を体現しています。このような視覚的アプローチに優れているのもイッセイ ミヤケならではといえるでしょう
ブルガリの提案力に脱帽
一方、130周年を記念するアニバーサリーフレグランスの「ブルガリ マン イン ブラック」。今までは女性用に使われていたチュベローズをあえてメインに使ったことで、話題となりました。元々ブルガリは革新的な香りを提案するのが上手なブランドなので、ジェンダレスな官能美を湛えたこの香りもこれからの男性の定番となるかもしれません。
ボトルは、やわらかな手触りのマットなブラック。そこにピンクゴールドを合わせると途端にラグジュアリーになります。存在感のあるボトルは、現代的なマスキュリンを表しています。
さて、これまで2014年を象徴する香水をみてきました。あなたの心と嗅覚に刺さる逸品に巡り会えたでしょうか? 2015年もまた新たな展開があるはず。生活を豊かにする香りを身につけて、アップデートしてください。