ピアノで跳躍した音を確実につかむテクニックをマスターしよう!
ピアノで跳躍した音を正確に演奏する練習方法
<目次>
ピアノで跳躍した音を外してしまう理由を考える
跳躍した音を弾こうとした時に、間違った音を弾いてしまう確率が高い人に共通して言えるのは、特別な対策を練らずに漫然と「一(イチ)か八(バチ)か」という気持ちで弾いていること。どうすれば音を外さずに弾けるか考えながら練習を重ねていくと、次第にミスする確率が低くなり安定感のある演奏が可能になります。まず、以下の点に気をつけながら自分の動きをチェックしてみましょう。原因がわかると修正のポイントが見えてきて、効率よく練習が進みます。
音を外してしまう5大原因
- どの音を弾くべきなのか完全に覚えきっていない(音を探している)
- 跳躍する距離を体が覚えていない
- 跳躍の際に最短距離で移動していない(無駄な動きをしている)
- 飛ぶ先の鍵盤を見ていない(上手に目を使っていない)
- 跳躍に気を取られて、その直前の音をおろそかに弾いている
ピアノで跳躍して弾く音をしっかり覚える
どの音を弾けばいいのか完全に覚えきっていない状態では、当然のことながら正確に弾ける確率は低いうえに、弾いた音も自信のない響きになってしまいます。跳躍している音の場合、加線のついた音符のことも多く、楽譜を見てもすぐにそれが何の音かわからないことがあります。そのような時は、音符の横にカタカナで音名を書いてしまいましょう。音名を書くことに罪悪感を持つ人も多いですが、肝心なのは跳躍した音を流れを止めずに正確に弾けるようにすること! どの鍵盤を弾くべきなのか覚える工夫を最優先にした練習を心がけましょう。
ピアノを演奏するときは、跳躍する音の距離を覚える
音は覚えているのになぜか音を外してしまうという場合は、跳躍する距離を手がしっかり覚えていないことが大きな原因だと考えられます。離れた鍵盤に移動する際に、指先を目的の鍵盤に持っていこうとするのではなく、脇を緩めて肘から手を移動させるイメージで動くと、脇の開き具合、肘の動き具合など上半身全体で徐々に距離感がつかめるようになってきます。
跳躍の距離感を覚えるための練習ポイント
跳躍の距離をしっかり体に覚えこませるために欠かせないのが、離れた音の間を行ったり来たりする反復練習です。ただし、ただ回数多く反復するだけでは意味がありません。距離感をしっかりつかむためには、目をつむって弾いてみたり、速度を変化させたり、リズムをつけて弾いてみるなど、様々なバリエーションをつけて体に覚えさせていくことが大切です。
ピアノ演奏の跳躍は跳躍は最短距離で動く
離れた音に向かって手を移動させる際に、鍵盤から離れて弧を描いて動かすか、鍵盤に近いところで水平に移動させるかで、移動にかかる時間が変わってきます。速い曲になればなるほどこの違いはハッキリ出てきて、結果として奏でられる音色、強いては曲の雰囲気まで変わってくることがあります。移動する距離をなるべく短くするためには、手のかたちについても工夫が必要です。指が丸まったままだと、その分、目的の鍵盤まで移動の距離が長くなり余計な時間がかかります。次に弾く音に向かって手を開きながら移動すると、想像以上に距離が短く感じられるはずです。ちょっとした余裕で、打鍵の精度がグッと上がります。
ピアノで跳躍する前に次に弾くべき鍵盤を目で確認する
跳躍の距離を覚えると同時に、次に弾くべき鍵盤を的確なタイミングで見る習慣をつけておくことも、打鍵の精度を上げる大切なポイントです。弾くことに精一杯で、自分の目線のことなんて考えたこともないという人がほとんどだと思いますが、一瞬でもいいので次に弾くべき鍵盤を目に入れておくと距離感が安定します。日頃の練習のなかで、手と同じように目の動きも意識して弾くようにすると、跳躍だけでなく演奏全体のミスが減ってきます。
ピアノで跳躍する直前の音を大切に弾く
離れた音を弾く箇所にくると、「早く動かないと間に合わない」という思いが無意識に働き、跳躍する直前の音がおろそかになって打鍵が浅くなったり、急いていたりするものです。きれいなジャンプをするためには、跳躍する音ではなく、その直前の踏み切る音をしっかりと大切に弾くことが大切! 跳躍の直前で既にバランスが崩れてしまっては、肝心の跳躍がうまくいくはずがありません。丁寧な片手練習で、全部の音がしっかりと鳴っているかチェックしましょう。 跳躍した音を正確に弾くポイントをご紹介してきましたが、「間違えないで弾く」ということだけにフォーカスを置いて練習していると、音楽的なことが二の次になってしまい、肝心の音楽の流れを無視して跳躍の部分で突然大きくなっていたり、乱暴な打鍵になっていることに気がつかない場合があります。せっかく正しい音が弾けるようになっても、それでは魅力的な演奏とはいえません。ピアノに限らず楽器を練習する時は、常に自分の奏でる音の響きに注意深く耳を傾けることをお忘れなく!【関連記事】