名古屋の観光・旅行/名古屋 自腹メシ

名古屋自腹メシ第17回「のんき屋」

名古屋の渋くて味のある居酒屋を飲み歩いて紹介する自腹メシシリーズ。今回は立ち飲みの老舗にして、どて、味噌串カツが名物の「のんき屋」。名古屋駅からもほど近く、地元の常連はもちろん、出張ついでに立ち寄るのんべえも多い名店だ。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

名古屋駅から歩いて行ける立ち飲みの老舗

名古屋の渋くて味のある居酒屋を飲み歩いて紹介する自腹メシシリーズ。今回は立ち飲みの老舗にして、どて、味噌串カツが名物の「のんき屋」。名古屋駅からもほど近く、地元の常連はもちろん、出張ついでに立ち寄るのんべえも多い名店です。
のんき屋

名古屋の立ち飲み屋では一番の老舗。超高層ビルが立ち並ぶ名古屋駅前のすぐ近くにこんな昭和の香り漂う一角が


超高層ビルが立ち並び、“名古屋摩天楼”とも称される名古屋の玄関口。そこから歩いて6、7分程度の場所に、昔ながらの飲み屋が立ち並び、昭和の香り漂う一角が。その中心が昭和29年創業の「のんき屋」です。

テーブル席や2階には個室もありますが、おすすめはやっぱり立ち飲みです。お客さんが陣取るのは歩道の一部で、立ち飲みならぬ“道飲み”とも称されますが、ここは本来、店の一画だった場所。道路拡張によって歩道として整備され、もともと酒飲みが集っていた場所なのです。

どて、串カツ、おでんで名古屋の赤味噌を堪能

初めての人はどうしたらいいのかちょっと戸惑ってしまいますが、基本的にセルフサービス。大きな鍋でぐつぐつと炊き込んであるどて(赤味噌の煮込み)、大皿に並びタレにつかったホルモンの串、バケットに並んだ串カツを自分で皿にとってほおばればよし。味噌おでんや串物などは声をかければ取ってくれたり、調理してくれます。
のんき屋

おでんは8種類あり各120円。串カツ80円


どてはいかにも名古屋らしい味噌の濃さが魅力。ぷりぷりで柔らかくしっかり味噌がしみ込んでいます。串カツもこの鍋にどぼんとつければ味噌串カツに。サクッとした衣をまろやかな味噌が包み込みます。

のんき屋

串カツはどてを煮込んでいる鍋にどぼん!


醤油ベースのてりのタレもコクがあり、味噌と食べ比べすると何本でも食べられます。ちなみに串物は1本80円~。財布の中身を気にせず飲めるリーズナブルさも魅力です。

のんき屋

とんやきは照り・塩・辛の3つの味から選べる


常連も一見さんも横一線で会話を楽しむ

袖振り合うも何とやら、というように、隣り合わせたお客さんと言葉を交わすのも立ち飲みの楽しさです。

「先代の婆ちゃんの時代は、のれんの上に串を隠して勘定をごまかそうとするイタズラをしたもんやが、不思議とすぐバレてなぁ(笑)。最近の若いもんは知らんようやけど、こういう立ち飲みや屋台では、勘定の時はこうやってのれんを上げるのが合図なんだわ」

と立ち飲みルールを教えてくれたのは、何十年と通っているというご近所のおじいちゃん。

「すいません。初めてなんすけど、どうしたらいいっすか? あ、自分で取ればいいんすね。いやぁ~、いいっすね、ここ。どて、うまいッす。」

と上機嫌だったのは東京から仕事ついでに立ち寄ったという一見さん。

常連も一見さんもまさに横一列で、自分のペースで楽しめる。これぞ立ち飲みの醍醐味です。
のんき屋

のれんの使い方を教えてくれた常連のじいちゃん。勉強になります!


この夜は他のお客さんと話が弾んだので、少々長居をしましたが、それでも1時間半ほどで会計は2460円。中には飲み会に行く途中で立ち寄り、串を2、3本ほおばりビール1本開けてパッと立ち去るいわゆる0次会のお客さんも。わざわざ立ち寄るのもいいですが、こんな利用もまたオツなものです。

のんき屋

店先の様子はハイボールの缶のイラストにもなっている


立ち飲み屋が少ないといわれる名古屋で半世紀以上お客を立たせてきたその魅力を、是非立ち飲みで味わってみて下さい。

【この日のオーダーと料金】

・ おでん 3本
・ 串カツ 3本
・ どてやき 2本
・ とんやき
・ カキ
・ 瓶ビール、ハイボール
・・・合計2460円
のんき屋

自腹の証明。この日の領収書


□ のんき屋
・ 住所:名古屋市西区名駅2-18-6
・ アクセス:JR・地下鉄・名鉄・近鉄名古屋駅から徒歩6~10分
・ TEL052・565・0207
・ 17時~21時(土は16:30~20:00)
・ 日・祝休
Yahoo地図情報

【名古屋自腹メシ バックナンバー】

□第1回 「JIROMAL」 (※閉店)
□第2回 「お番菜と酒 おっこん」 (栄)
□第3回 「うどん家 匠庵」 (錦)
□第4回 「焼酎居酒屋 モモガッパ」 (錦)
□第5回 「貝と地酒 杉むら」 (栄)
□第6回 「どての品川」 (堀田)
□第7回 「島正」 (伏見)
□第8回 「雑炊 いちい」 (伏見)
□第9回 「ふじ原」 (久屋大通)
□第10回 「炭火やきとり きんぼし」 (伏見・今池・新栄)
□第11回 「大甚 本店」 (伏見)
□第12回 「魚めし 竹亭」 (伏見)
□第13回 「珍串」 (名古屋駅)
□第14回 「歓酒亭 大安」 (金山)
□第15回 「どて焼 五条」 (円頓寺)
□第16回 「串かつ やきとり やまちゃん」(名古屋駅)

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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