啓徳空港跡地を見渡すデザイナーズホテル
8度に傾くデザインが不思議な感覚のフロント
街の中心・尖沙咀(チムサーチョイ)へのシャトルバスが出ています
高層ビル群スレスレを飛行機がかすめるように飛んでいく…。1998年7月に啓徳空港が閉鎖されるまで、香港といえばそんな情景が代表的でした。空港があった九龍城(カオルーンシティ)エリアには世界に知られた九龍城砦があり、妖しくもミステリアスな魅力を放っていました。
古い町並みとタワーマンション。新旧が混ざり合う九龍城(カオルーンシティ)
そんな九龍城(カオルーンシティ)の雰囲気も今では一変。空港は閉鎖後に更地となり、海沿いにクルーズターミナルが登場。九龍城砦は広大な公園へと姿を変え、平和で健全な風景となりました。そして古くからの下町の中には次々とタワーマンションが建ち始め、近代化への一途を歩んでいます。
飛行機の離陸角度にちなんだ8度のデザイン
下町情緒漂う街で一際目を引くモダンな外観
新旧交わる九龍城(カオルーンシティ)エリアにそびえる
「ハーバープラザ8ディグリーズ」は、一風変わったデザイナーズホテル。空港跡地近くに建てられたことを意識したデザインがポイントです。
デザインのキーワードは名前に反映されている「8ディグリーズ(8度の角度)」。これは飛行機の離陸角度が8度ということに由来しているのだとか。ではどのようにデザインに反映しているのか、さっそく中をのぞいてみました。
バーのグラスも8度に傾斜!
まずエントランスを入ると、幾何学模様のフロアとその先にある傾いたチェックインカウンターに驚くことでしょう(写真上)。これは目の錯覚を利用したデザインで、実際にホテルが傾いているわけではありません。
こうした“傾き”のデザインは、エレベーターホールやバー、カフェなど、あらゆる施設で見られます。内装だけでなく、バーやダイニングで使用するグラスにも傾きを取り入れるという徹底ぶりです。
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