クリスマスイルミネーションは白熱灯?それともLED?
クリスマスイルミネーションに使用される光源に、初めて電球を使用したのはエジソンの友達で、エジソンが1879年に電球を発明して間もなくのことです。日本では今からおよそ100年前に一般照明用のタングステン電球の製造に成功。大規模の工場でそれらの量産体制がとれたことで、以降、電球は急激に普及することになりました。その影で小規模の工場で出来る、クリスマス電球など豆電球の製造も盛んでした。
写真3. 赤から青色までいくつかの色で構成されたクリスマス電球
クリスマスイルミネーションは前述のように、星の光を意味します。今日の都会では光の色が識別できるほどはっきりとした星は見えません。
昔の話ですが、赤道直下の海上で見た星々は赤い光から青白い光まであり、また輝きの度合いも様々だったことを覚えています。したがってクリスマス電球に色が使われてもおかしくないと思います。(写真3)
白熱灯タイプのクリスマス電球はバルブに着色しているので、例えば青色でも温かい感じがします。
一方、LEDはピュアな光の色で、より星の色に近いイメージがあります。しかし、白熱灯タイプに比べると一般に冷たい感じがします。(写真4)
イルミネーション用のLEDは点灯パタンが幾つもでき、電気代が安くすみます。また熱があまり出ないので木に優しいなどの特徴があります。電気代は種類にもよりますが、白熱電球の約1/10ですみます。
とはいっても白熱電球タイプは、例えば100球用(60w)を毎日5時間の点灯しても1か月200円くらいなので、温かい雰囲気を大事にしたい人たちに、まだ根強い人気があります。
写真5. 高さ1、5mのモミの木に50灯のペッパー球を付けた場合
ツリーが部屋のコーナーに置かれた場合、ランプ数は最低でも50~100球が目安になります。(写真5)
なお、ランプを購入し、設置するまでに下記に記す幾つかの注意事項があります。
1、ランプの入っている箱書きをチェックします。電圧、灯数、コードの色、防雨性、雑音の問題などの確認です。
特にコードの色がツリーの葉とより近いかをチェックします。また、防水型を購入して屋外で使用する場合、ランプは防水でもコントセントやコン トローラーは防水ではないことがあるので、その場合は応急にビニールカバーなどで雨に触れないようにします。
写真6. ランプの束をばらさないで点灯確認を行う
仮に不点のランプがあった場合、束をばらしてしまうと不良品扱いで交換してくれないこともあるためです。
なお、白熱灯の場合は予備ランプが数灯あらかじめ付いていることがあります。(写真6)
3、オーナメントを飾る前にランプを先に取り付けます。ツリーの輝きを有効にするためできるだけオーナメントの影にランプが入らないようにします。
クリスマスイルミネーションには500年の歴史があります。最近はいろいろな工夫が施され、興味をひくイルミネーションも作られています。
クリスマスイルミネーションが時代とともに進化していくことは素晴らしいことだと思います。一方で毎年12月に必ず訪れるこの世界的な行事、本来ならそこに込められた意味を深く理解することで、昔ながらの光を大切にする心も生まれてきます。
そんな思いを抱きながらクリスマスイルミネーション作って、家族や友達とこの特別な光を楽しんでもらいたいものです。
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