「世界の巨大都市圏人口ランキングと2030年の推計」で世界1位の都市圏に
人口密度の高さも東京が上位
東京都の人口は約1330万人です。東京と結ばれる神奈川県、埼玉県、千葉県などと緊密に結ばれており、都市圏人口は極めて大きな規模になります。国連経済社会局による「世界の巨大都市圏人口ランキングと2030年の推計」によれば、都市的集積地域で東京は約3700万人で世界の首位。2位がインドのデリーで2500万人。3位が中国の上海で2300万人。東京の人口集積が世界的に見て突出しているのがわかります。同調査では、2030年においても東京は都市的集積地域として、世界トップの人口を誇ると予測しています。また、東京の都市部は人口密度が高いことも特徴です。東京23区の面積は約623平方キロメートル。人口は約900万人です。これは、世界トップクラスの人口集積で知られる約540万人のシンガポール、約720万人の香港よりも多く約716平方キロメートルのシンガポールや約1104平方キロメートルの香港よりも狭いです。よって、人口密度は極めて高いのです。
人が集まるという事は、大きなマーケットがそこに存在しビジネスチャンスがあるとも言えます。また、人が多いという事はそれだけ交流があり付加価値が生み出される可能性も高いという事です。現在、政府はグローバル人材を東京に集めるためアジアヘッドクウォーターとして特区を設けるなど外国人も居住しやすい街づくりを進めています。新聞発表にあった大手ソフトウェア関連の外資系企業が東京に開発拠点を置くなどの動きが出ています。こうした成果は今後徐々に出てくるのではないでしょうか。
アジアの中心としてさらに成長できるかが鍵
外国人の好みが不動産価格にも影響
これだけの街の規模を誇る東京ですが、数年前に10年以上日本でビジネスをしているインド人経営者に「日本の街は古い、アジアの都市は全てが新しい」と言われショックを受けたことがあります。彼曰く、日本の建物やインフラの多くは高度成長期の30年ぐらい前に建てられたもの、成長するアジアの主要都市は全てのものが新しいということでした。しかし、今東京では各所で開発が進められています。例えば、歴史ある街の代表格「銀座」では、再開発によるビルや商業施設の建て替えが進んでいます。数寄屋橋交差点の旧「銀座TSビル」の建替え事業。かつては「数寄屋橋阪急」が入っていた歴史ある建物。東急不動産がエリア最大級の大型SCとして開発。建物の外観デザインは、「光の器」という建築コンセプトで、江戸切子をモチーフに。ロングファサードで存在感ある建物は、街の雰囲気も一新しそうです。
銀座六丁目では旧松坂屋跡地の再開発計画『銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業』がスタートしています。敷地面積9,080平米の広大な敷地。商業施設とオフィスの構成で、観光バス等の乗降スペースも整備される予定です。こうした再開発は、日本橋や八重洲、渋谷といった歴史ある市街地でも進行中で、2020年に向けて街も大きく変わっていきそうです。
顕在化しているアジアの購入層の人気のエリアは、千代田区・港区・中央区をはじめとした都心エリア。派手なライフスタイルを好む中華圏の人たちはランドマーク的価値のあるタワーマンションを好む傾向が強いようです。一方、歴史的に日本とつながりの深い台湾の方は、千代田区ニーズが高いといった話を聞きます。こうした「外需」の嗜好は、東京の不動産価格に少なからず影響をあたえそうです。為替レートは、将来にわたって上昇する時期もあれば下落することもあるでしょう。しかし今までそうであったように、世界との距離が縮まりより海外と繋がりが深まる時代に少しづつなっていくことは間違いないと思います。今後は、グローバルな視点から街選びをすることも大切になってくるのではないでしょうか。