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『インターステラー』とノーラン特集(2ページ目)

SF映画『インターステラー』が超話題です。SFファンは狂喜乱舞していますがSFファンじゃなくても親子愛に感動した!という声が多数。監督はクリストファー・ノーラン。そこでハリウッドの鬼才と言われるノーラン監督作を追いかけてみました。最新作『インターステラー』をトップに『ダークナイト』『インセプション』など、作品を通して鬼才の頭の中をのぞいてみましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド


ノーラン監督の実力を堪能できる三部作


『バットマン ビギンズ』(2005年度作品)
大富豪の息子として育ったブルース(クリスチャン・ベイル)がゴッサムシティで巨悪と闘う闇のヒーロー、バットマンになるまでを描いた作品。

これまで何度も実写映画化されてきた『バットマン』シリーズ。ティム・バートン版の『バットマン』もシュールな魅力がありましたが、バートン監督は悪に魅力を感じていたせいかバットマン愛が薄かったような……。しかし、ノーラン版は思い切りバットマンの魅力を開花させています。

『バットマン ビギンズ』は悪役が弱いという欠点があるにせよ、なぜバットマンが誕生したのかに焦点を絞っているので、そのつもりで見れば問題ナシ。映像もアクションもクールだし、何よりブルース・ウェインの心の闇に斬りこんでいるのが良い。『バットマン』ビギナーはまずこの作品から見れば、過去のどんなバットマン映画にも対応できそうです。

監督:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイル、リーアム・ニーソン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙ほか

『ダークナイト』(2008年度作品)
白塗りの顔に口が裂けたジョーカー(ヒース・レジャー)がゴッサムシティで次々と凶悪犯罪を巻き起こす。生い立ちも謎、犯罪の動機もなし、ただ悪の限りをつくすジョーカーにバットマン(クリスチャン・ベイル)は苦戦を強いられる……。

善と悪が表裏一体であることをつきつけるジョーカーの存在感は圧巻!バットマンが善悪の境界線に立たされますからね、史上最強の敵でしょう。演じるヒース・レジャーは、この映画出演後、謎の死を遂げました。ジョーカーを演じて心を病んだとまで言われた命がけの熱演でアカデミー賞助演男優賞を受賞。

ジョーカーは現代の悪魔。人間の愚かさをむき出しにし、心をかき乱し、落ちて行く姿を高みから見物して笑い飛ばす。この映画をけん引しているのはまぎれもなくジョーカーであり、だからこそ『ダークナイト』は傑作になりました。ラストシーンも素晴らしい!

監督: クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート、ゲイリー・オールドマン、マイケル・ケインほか


『ダークナイト ライジング』(2012年度作品)
『ダークナイト』で罪を背負ったブルース(クリスチャン・ベイル)は身を隠していたけれど、ゴッサムシティに鋼の肉体を持つテロリストのベイン(トム・ハーディ)が現れ、街を破壊していく。ブルースは再びバットマンとして甦ろうとするのだけれど……。

前作で身も心も傷ついたバットマンが再生する姿を描いたのが『ダークナイト ライジング』。今度の敵はジョーカー的な凶暴なインテリではなく、強靭な肉体と暴力性が武器。しかし、それは表向きの姿で実は……というトリックがあり、最後まで気を抜けない。

キャットウーマンも登場してスクリーンに華を飾っているのはシリーズ完結編だからでしょうか。長尺を感じさせないエンタティメントして成立していて面白いことは間違いないのですが、『ダークナイト』に比べるとちょっと軽いかも?

監督:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィットほか

>ノーラン監督の頭の中身がどうなっているのかを見たくなるようなマジカルな作品
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