バレエ/大人バレエのテクニック解説

大人バレエの技術解説15 「バットマン・フォンデュ」

軽やかなジャンプで片脚着地し、動脚を高く上げる動きを想像してみてください。踊りに緩急のメリハリを与えてくれる動きがバットマン・フォンデュだと言えます。小さなジャンプから大きなジャンプまで、着地では必ずと言ってよいほどバットマン・フォンデュの要素が入っています。バットマン・フォンデュはアダージオからアレグロまで非常に幅の広い動きの中で使われます。バットマン・フォンデュについて考えてみましょう。

執筆者:石島 みどり

フォンデュは「溶ける」の意味です。

フォンデュは「溶ける」の意味です。

バットマン・フォンデュのバットマンは 「打つこと」、フォンデュは 「溶ける」 という意味です。バットマン・フォンデュは、軸脚をプリエしながら、動脚をスュル・ル・ク=ドゥ=ピエ (足首の上) の位置から各々の方向に伸ばす動きのことです。プリエの片脚立ちバージョンと思えば簡単に理解できるかもしれません。


バットマン・フォンデュの難易度

バットマン・フォンデュは、動脚を床の上・45度の高さ・90度の高さ・90度以上の高さと、徐々に上げていくことで難易度が上がります。また軸脚をルルヴェにすることで、難易度はさらに上がります。脚を動かしながら腕のポール・ドゥ・ブラを加えると、さらに難しくなり、更に腕にあわせて顔の向きも変えるとなると、本当にコントロールが効かなくなりそうです。

軸脚に重心をしっかり置くこと、軸脚と動脚をスムーズに動かすこと。これらを同時に行いながら動脚の高さ、軸脚のルルヴェ、腕の正確なポジショニングなどを行います。

「言うは易し、行うは難し。」

ですよね。まずはあなたがこなせる難易度から始めて、少しずつ動きを複雑にしてみましょう。


食べ物のイメージ

バットマン・フォンデュのフォンデュは、フランス語で「溶ける」 という意味です。

フォンデュと聞いて思い浮かぶ食べ物は、「チーズ・フォンデュ」、「チョコレート・フォンデュ」 などではないでしょうか? チーズだとトローっとしているから動きのイメージが湧くかもしれませんが、チョコレートはサラサラしているので動きのイメージが湧きにくいかも知れません。

そもそも 「チーズ・フォンデュ」 や 「チョコレート・フォンデュ」 を食べた事がない人にはイメージが湧きにくいですね。

そこで、イメージにぴったりな食べ物を用意しました! それは我が日本の 「納豆」。あの粘っこい感じが 「バットマン・フォンデュ」 のイメージにぴったりです。ぜひ納豆をイメージしながら動いてみてください。


バットマン・フォンデュのコツ

プリエにするときに、とにかく軸足のかかとに重心を乗せること、これが一番大事です。フォンデュの形になっているときは、誰に押されようとも絶対に動かない、という意気込みで、重心をしっかりと軸足のかかとに乗せてください。

また、上半身は自由に動かせるようにしっかりと引き上げている事が大事。かかとに重心を乗せ、上半身は上に上に引っ張り上げてください。これでフォンデュは攻略できるはずです。
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