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追悼・高倉健主演映画セレクション(3ページ目)

日本映画が誇るスター俳優・高倉健が2014年11月10日、悪性リンパ腫で亡くなりました。享年83才。新作映画の準備に入っていたそうで、まだまだ俳優として活動する意欲がある中でのお別れは、本当に残念。最後まで映画俳優を貫いた高倉健。今回は高倉健の主演作を特集をします。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

スター俳優らしい、スケールの大きな話題作

『南極物語』(1983年度作品)
南極の基地に残された犬を救えなかったことを悔いてばかりの越冬隊員の潮田(高倉健)。一方その頃、犬たちは生き残るためにすさまじい闘いの日々を送り、次々と犬は息絶えていく……。

タロとジロの実話を映画化。物語の細部まで丁寧に描写されており、動物たちも変にかわいく擬人化された犬ではなく、野性的で獰猛さを見せるところに、自然へ立ち向かっていくという本作の厳しさが現れていていい。置き去りにした犬のことが忘れられない男を演じる高倉健、本作では誠実さが胸を打ちます。健さんは動物との共演も絵になりますね。

監督:蔵原惟繕 出演:高倉健、渡瀬恒彦、岡田英次、夏目雅子、荻野目慶子ほか


『八甲田山』(1977年度作品)
日露戦争で闘うための寒地訓練を行うと八甲田山に向かうふたつの軍隊の過酷な任務を描いた大ヒット作。

「天は我々を見放したか」は流行語になりました。高倉健は少数部隊のリーダーとして山へ向かうけれど、冬の八甲田山は容赦なく……。吹雪と寒さと闘う人間たちを見ていると「こんな訓練が何になるのだ?」と理不尽な命令に憤りさえ感じます。それでも任務を遂行する高倉健演じるリーダーの冷静な判断力は見事です。高倉健は冬や雪が似合う男ですが、おそらく出演作の中で最も極寒で最も過酷なロケだったのがこの映画でしょう。

監督:森谷司郎 出演:島田正吾、大滝秀治、高倉健、丹波哲郎、藤岡琢也ほか



数多い高倉健作品の中から、バラエティに富んだ作品をピックアップしてみました。最後まで自分流のスタンスで、大衆にこびず、自分のやり方で映画と向き合った高倉健。健さんの出演作すべてが日本の宝です。
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