まず保証付きの中古車を選ぶこと
中古車を購入する際「買った後に壊れないか」「販売店にダマされやしないか」等々、不安を感じる人も多いはず。しかし、そうした漠然とした不安は、購入トラブルの原因を知り、意識をほんの少し変えるだけで、すっかり解消できます。では具体的にどうすればよいか?を見る前に、まずは「平成25年度の公取協における相談受付状況」をご覧いただきたいと思います。公取協とは(社)自動車公正取引協議会のことで、ここでは新車・中古車を問わず購入にまつわるトラブルの相談を受け付けています。
相談内容別に見ると「品質・機能」が48.9%と半数で、次いで「キャンセル」「契約・取引方法」と続く。この3つで全体の91%を占める
上のグラフを見るとわかるように、購入した中古車の「不調・故障」「キャンセル(消費者からの申し出)」、「契約と内容が異なる」が相談の3大要因で、全体の65.7%を占めていることがわかります。
それらの中身をさらに詳しく見ていきましょう。
まず「不調・故障」にまつわる購入のトラブルとはどんなものなのか。公取協に確認したところ、主に納車後すぐの不調や故障が多いそうです。特に保証のない車や「現状販売」としている中古車で不具合が起こった際にトラブルになるケースが目立つとのこと。
購入後にすぐ壊れるような中古車を販売するほうが悪い、と言うのは簡単ですが、しかし車は機械です。何もメンテナンスをしていなければいつ不具合を起こしてもおかしくありません。ましてや前オーナーがどんな使い方をしていたか、販売店ですら掴めていないことがほとんどです。
もちろん「走る・曲がる・止まる」といった車の最低限の条件をクリアしなければ販売店に責任が生じます(瑕疵[かし]担保責任)。一方で、「整備はこっちでやるから、とにかく安くしてほしい」という消費者ニーズがあるのも事実です。「現状販売」として整備をしないまま販売する背景には、こうした事情もあります。
特に古い車などに多いのが「現状販売」という販売方法。自分で、あるいは知り合いの整備工場で直すからとにかく安い車が欲しいという人もいる。あまり車に詳しくないと思う人は、現状販売の車には手を出さないほうがいい
さて、それを踏まえた上で、どうすれば「不調・故障」のトラブルに遭わずにすむか。まずは「保証付きの中古車を選ぶ」ということです。
販売店側からすれば、保証を付けた車が故障したらその修理代を出費しなければなりません。ミッションが壊れたら何十万円コースです。となれば保証を付ける車はなるべく程度が良いもので、かつきちんと点検・整備して売ろうと思うのが心情というもの。
確かに保証付きだと少し総額が高くなりがちですが、保証は保険のようなもの。それに少し高くなるといっても、何十万円も高くなるわけではありません。
また、最近ではコンディションシートといって、その車の状態を細かく説明した書類を用意しているところもあります。それをもとに、販売店にひとつ一つ確認しながら、購入を希望する中古車の状態を把握してから、購入するかどうか検討するといいでしょう。
続いて、次ページでは「キャンセル」と「契約・取引方法」のトラブルについて見ていきましょう。