フリーランスの公的年金を補う老後資金の準備方法をご案内します
新規開業者のうち、自分の意思で会社員からフリーランスとなった人が多数を占めているといえるでしょう。会社員とフリーランスでは働き方が異なるだけでなく、リタイア後の公的年金も大きく異なります。フリーランスになったとき、仕事の計画だけでなく、リタイア後も考えた将来設計を立てることも必要です。今回は、フリーランスの公的年金をベースに将来設計を立てるポイントをご案内します。
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・フリーランスと会社員の公的年金
・フリーランスの上乗せ年金の準備
・その他のフリーランスの老後資金準備
フリーランスと会社員の公的年金
はじめに、フリーランスと会社員の公的年金の違いをみていきましょう。日本の公的年金制度の特徴の1つに「国民皆年金」があります。原則20歳以上60歳未満で日本に住む人は全員が国民年金に加入しなければなりません。ただし、おもにその人の働き方で加入する制度が異なります。会社員は第2号被保険者として国民年金に加入すると同時に厚生年金に加入し、第2号被保険者に扶養される配偶者は第3号被保険者として国民年金のみに加入します。第2号被保険者・第3号被保険者に該当しないフリーランスや学生は第1号被保険者として国民年金のみに加入します。
種別が変わった場合の老齢年金がどうなるのか、事例を使って確認してみましょう。
【事例】
スズキユウタ(仮名)さん(33歳)は、大学を卒業後、A社に入社しましたが、今年3月で退職し、独立開業しました。法人化の予定はなく、今後はフリーランス(個人事業主)として働き続ける予定です。
スズキさんは20歳から国民年金に加入し、未納期間などはありません。スズキさんの公的年金の加入歴および加入見込みは以下のようになります。
30万円×5.481/1000×120月=19万7,300円
(平成26年度の本来水準による年金額、100円未満四捨五入)
(年金額は平成26年度額)