企業経営のノウハウ

初めての経営でつぶれる店の4つの意外な共通点とは(2ページ目)

つぶれる店の最大の特徴は「見るべき対象者・対象物の焦点が定まっていない」ことです。分かっていても内容が具体的でなかったり、実施していないと残念な結果に終わることが多いのです。基本に忠実に、原理原則を実行する継続力を養っていきましょう。

執筆者:植竹 剛


クーポン・ディスカウントの乱発

クーポン・ディスカウントをむやみやたらと発行するのも危険です。

売れないからといって価格を下げて販売するのは高原価率になってしまい、逆に利益額を引き下げてしまいます。これではすぐにキャッシュが底を尽きかねません。すると原価額を下げようとします。この時点で商品の品質を保てなくなり、さらに顧客数が減少していくという負のスパイラルに突入してしまいます。

ではクーポンやディスカウントの戦略はどのように執っていくべきでしょうか。まずお客さまの来店数を予測します。そして本来の客単価からディスカウントされた後の客単価を引きます。そして来店予測数を掛けると、失う売上高が計算できます。この金額こそ販売促進費の中に加えて、経費として考えることです。一旦の集客策は自店の商品やサービスを広く知ってもらうためです。その時は最高の物を提供し、再来店を促進することまで視野に入れてから行うべきです。単に売上増を見込んではいけません。本来はリピート率まで計算した上、数ヶ月単位で利益額を増やす施策なのです。


安いから飛びつく居抜き物件

最後に物件を探すときの落とし穴です。

どうしても店舗を出したい。気持ちはよく分かります。しかし初めての場合はこの居抜き物件に手を出すのは基本的に止めた方が良いでしょう。居抜き物件とは以前の経営者が店内の設備や什器などをそのまま残したまま物件を返した状態を指します。なので初期投資を低く抑えることができて、効率が上がります。でもこの場合、相当な店舗経営のノウハウを持ち合わせていないと、すぐ同じこと(廃業)になりかねません。またノウハウを持っていたとしても初期投資(イニシャルコスト)が安いということは営業資金や運転資金(ランニングコスト)は高くなる傾向があるので経営は楽ではないでしょう。

いかがでしたか。店舗経営や運営の経験がない方でこれから商売を始めようとお考えの方々はアルバイトでも構いませんので、店舗ビジネスの修行を期間を決めて行ってみてください。以上のことがきっと実感できると思います。
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