ポカラ市内観光の見所と宿泊
カトマンズより西へ約200km。標高800m、フェワ湖やベグナス湖など美しい湖と白く輝くアンナプルナ山群の峰々を望む風光明媚なネパール第二の街がポカラです。陸路プリティビハイウエイを車で順調に走れば約6時間、国内線航空機なら30分でポカラ空港に到着します。一年を通じて穏やかで温暖な気候で、トレッキングやハイキング、ボート、パラグライディングなど山、湖、空でのアクティビティーが気軽に楽します。またトレッキングルート上には温泉地もあり、リゾート地として国内外から人気を集めています。ツーリストが滞在するフェワ湖の周囲は「レイクサイド」「ダムサイド」と大きく2つのエリアに別れています。
のんびりと長期滞在する旅行客やトレッキング客が多く、レイクサイド側には、ホテルやゲストハウス、各国料理のレストラン、スーパーマーケット、お土産店、トレッキング装備のレンタルショップ、マッサージ店やヨガ道場もありとても便利です。星付きのデラックスホテルのほとんどは湖から離れたエリアに位置していますが、ポカラ空港やレイクサイドへは専用シャトルバスのサービスを提供しているところもあります。ダムサイド側は静かな住宅街となっていますが、山の眺望がよいので好んでダムサイドに滞在するという方も。ホテルやロッジは長期滞在の割引など、夏場のオフシーズンは比較的柔軟に対応してもらえることもあります。
ポカラの街には世界遺産サイトもなく、カトマンズに比べると観光見所は少なめ。定番の観光スポットとしては、フェワ湖とアンナプルナ連山を南方から望む「日本山妙法寺」。伝統的な絨毯の製作工程も見られる「タシリンチベット難民キャンプ」。複雑な岩肌の地形の中に流れ込む滝“デビズフォール”とも呼ばれる「パタレチャンゴ」フェワ湖の中央のにある小さな島にあるヒンドゥー教の「バラヒ寺院」や「国際山岳博物館」などがあります。
1日で効率よく回るには車の利用をお勧めしますが、レンタサイクルもあるので、季節がよければゆっくりと景色を眺めながら巡るのもよいでしょう。
ヒマラヤ展望地サランコットとフェワ湖
ポカラ近郊11kmに位置するヒマラヤ展望台、標高1592m「サランコット」には日の出鑑賞を目的に、夜明け前からたくさんのツーリストが車をチャーターして訪れます。この丘からは視界を遮るものが一切無く、ヒマラヤ山脈の大パノラマが目前に広がっていますので絶好の写真撮影スポットにもなっています。中でも鋭く三角に尖ってそびえる「マチャプチャレ(魚の尾)」はポカラのシンボル的な未踏峰でその神々しさに強く魅了される山です。サランコットへはその季節に応じた防寒対策をしてお出かけください。近年新たなアトラクションとして、サランコットの丘から2kmの距離を1本のケーブルにぶら下がった状態のまま最高速度時速120kmで一気に2分で急降下する「ZIPフライヤー」と70mの高さから川に向かってダイブする「バンジージャンプ」も登場し、スリリングな体験を求めて続々とチャレンジャーがやってきています。
フェワ湖といえばボート遊びですが、新たにペダルを漕いで移動する二人乗りウォーターサイクルでの湖上サイクリングも楽しめるようになりました。インストラクターの指導でサーフボードに乗り、オールで湖面をパドリング移動する「スタンドアップパドルSUP」はバランス感覚が不可欠。湖でのアトラクションは救命胴衣の着用が義務付けられています。
アンナプルナトレッキング
ポカラはアンナプルナトレッキングの基点として多くのトレッカーが滞在します。トレッキングは日数、訪問地によって多様なコースがあります。バスやジープでトレッキングの出発地へ移動し、点在する村々を訪ね歩くと様々な民族の素朴な暮らしや伝統文化に触れることができます。滞在日数が短い方でも最短1泊からでも気軽に行くことができますよ。トレッキング・旅行代理店やホテルで詳細な情報が得られ、必要ならばトレッキングガイドやポーターの手配もしてもらえますので、安全のため信頼のおけるガイドを雇うことをお勧めします。トレッキング許可証を発行する入国管理局、アンナプルナ保護区入域許可証(ACAP)を発行するACAPオフィスはダムサイドにあります。TIMSカード(トレッカー情報マネージメント)は個人、代理店用と分かれており、ダムサイドのネパールツーリズムボード事務所、またはレイクサイドのシャンティパタンにあるトレッキング協会TAANで発行してもらえます。パスポートと証明写真を2枚を準備して行きましょう。
ポカラからのメジャーなトレッキングルートとしては、許可証類不要でマチャプチャレを望むダンプス村1泊2日。初心者向けのゴレパニ・プーンヒルは5日間程度から。日程と体力に余裕がある方は、標高4130mのアンナプルナベースキャンプ、5000m超の峠を通過するアンナプルナ周遊コースへどうぞ。古からの塩の交易ルートとして発展したジョムソン街道は荒涼とした山岳地帯深くに入り込むチベット文化圏となっています。
ヒマラヤが間近に迫るビューポイントや氷河、珍しい動植物を目にすることでしょう。特に春先2月ごろからはネパール国花のシャクナゲが赤やピンクの花を咲かせ、白いヒマラヤとの青い空の三色のコントラストは素晴らしく、思わず息を飲むほどです。
これらルート上には地元の人々が湯治にやってくる温泉が数箇所あり、山歩きで疲れた体を癒すための中間地点として滞在するトレッカーもいます。雨季の間は増水したり、利用できないことがあるので、現地で情報を収集するなどして事前に確認くださいね。
トレッキングでは標高を上げていくとともに、高山病の症状が出始めたり、時に怪我、突発的に天候が崩れて雪や雪崩の被害に遭う事故も報告されていますので、くれぐれも体調と安全に留意し、万が一に際して海外旅行傷害保険に加入しておきましょう。
※トレッキング許可証はネパール入国管理局にて発行されます。http://online.nepalimmigration.gov.np/
※TIMSカード http://www.timsnepal.com/ は、カトマンズまたはポカラのネパール観光局とネパールトレッキング協会(TAAN)にて。
※保護区入域許可証はカトマンズのネパール観光局内エントリー料金支払い窓口でも取得できます。
※5500mを超えるピーク登山については別機関の許可証が必要となります。
空のスポーツが目白押し
雄大なポカラの景観をもっとダイナミックに楽しむための空のスポーツをご紹介しましょう。ポカラ空港からテイクオフするパイロットと2人乗りの超軽飛行機「ウルトラライトフライト」は、ガラスが無く、山に接近するので航空写真、映像撮影にも適していて、迫力のあるショットが撮影できます。フライトは最短で15分から90分程度までの幾つかのコースから選択出来るようになっており、ヒマラヤの風をダイレクトに肌で感じる空の旅を体験できます。
そして近年大人気の「パラグライダー」と「パラモーター」。現在催行業者は30社以上あり、各社それぞれに特徴がありますが、中でも鷹と一緒に飛び立ち空を舞う「パラホーキング」はなかなか得難い体験のひとつとなるかもしれません。またライセンス保持者のみ許可されますが、「スカイダイビング」も可能となりました。
ただし、いずれもフライト可能な時間は風の影響が少ない概ね午前中に限定され、インストラクターの1日の飛行回数が定められているため、予約は不可欠。ポカラのほかカトマンズの旅行代理店でも申し込みが可能です。
今後はフェワ湖畔と日本山妙法寺の1.5kmを結ぶケーブルカーの開通やデラックスホテルの開業、さらなるアトラクションの登場も予定されており、ますます楽しみが増えそうなポカラ。是非ともネパール旅行のプランに組み入れてくださいね。
ポカラの気候についてはこちら「ネパールの季節、気候、旅の服装」をご参照ください。