きっかけはタイ旅行での純金ジュエリーの購入だった
――そもそも投資に興味を持ったきっかけを教えてください。杉原杏璃さん 20歳の頃、タイが好きでよく海外旅行に行っていたんですね。タイは金が盛んで、24金のジュエリーだけを扱っているデパートもあるくらい。当時、旅行仲間だった年上の女友達から「金は換金もできるから買っておいて損はないよ」と教えられ、気軽な気持ちでお土産代わりに購入したんですね。その後、“金の価格が上がって質屋に売りに行く人が増えている”というニュースを見て、「本当に利益を生むことができるんだ」と驚きました。
3万円くらいのブレスレットに5万円くらいのネックレスだったので、たいして利益が出たわけではありませんが、「お土産代が浮いた!」と嬉しくて。“利益が出るモノを買う”という楽しさに触れたことで、投資というものに興味がわきました。
そもそも父親が株をやっていたので、“堅実にやれば怖いものではない”という認識は持っていたんです。積極的に売買していたわけはなく、証券会社に勧められた大型株を長く持ち続けるといったやり方でしたね。
――海外旅行のおみやげが、投資の入口だったわけですね。実際に株を始めたのはいつ頃ですか?
杉原 23歳の頃ですね。16歳で芸能界に入って7年くらいたつのに、グラビアの収入は少ないし、一向に貯金も増えない。不安定な仕事ですし、どう頑張っても増える見込みがたたなかった。ずっと、“このわずかな貯金をなんとか増やせないだろうか”と思っていたんですね。ちょうど大人の人たちとご飯を食べている時にそんな話をしたら「じゃあ株をやってみたら?」と言われて…。“なるほど株か”と思って、実際に調べてみたら、簡単にネット証券で取引を始められるし、手数料もかからない。想像していたよりもハードルが低く、気軽にできると知ったんです。それならまずは、好きな銘柄から株を買ってみようと思ったのが、最初のスタートでした。2005年だったかな。
――そうなのですね。最初は、どこの銘柄を?
杉原 当時、野球にすごくハマっていたんです。株を買ったら、タダで野球の観戦チケットがもらえると知り、30万円で東京ドームの株を買いました。本当はカープファンなんですけどね(笑)。その頃はまだ、配当金の存在や優待についてもよく分からなかったけれど、ラクーアの無料券など系列店の割引券も貰えて「こんなお楽しみもあるんだな」と感激したのを覚えています。結局、東京ドームの株は、半年くらい寝かせてプラス10万円くらいになった時に売りました。
――すごいですね。初の儲けで何か買ったんですか?
杉原 いえ、とにかく貯めたいという思いが強かったので、利益が出ても何も使わずに、次の投資の資金に回しました。今もそのスタイルは変わりませんね。私がちゃんとグラビアで食べていけるようになったのは26歳くらいから。デビューしてから10年くらいは、グラビアの収入だけでは生活するのがやっとでした。「1日1000円以上は使わない」などとルールを決めて、やりくりしていましたね。もしも株をやっていなければ、バイトをしたり、あるいは仕事を断念しないといけなかったかも。そういう意味でも、株との出会いに感謝しているんです!
★次は杉原さんが1000万円を稼いだ投資のコツについてです
杉原杏璃さん
1982年6月12日広島県出身。テレビや雑誌で人気のグラビアアイドル。趣味は戦国漫画と株式投資。10年ほど前から株式投資を始め、堅実な投資法で総額1000万円の利益を稼いだことも。投資の腕が評判となり、株アイドルとしてマネー媒体でも活躍中。
取材・文/西尾英子 撮影/松本英明