稲村ヶ崎~風光明媚な景勝スポット
いよいよ、稲村ヶ崎へ。切り立つ断崖に囲まれた道を抜けましょう。視界が開けて、稲村ヶ崎へ到着です。目の前に、弓のように弧を描く七里ヶ浜。江ノ島や、晴れた日には富士山も見えます。まだ日没まで時間があったら、砂浜に降りてみましょう。稲村ヶ崎辺りの砂は、砂鉄が多く含まれていて、真っ黒。
稲村ヶ崎辺りの砂は、砂鉄を多く含み黒い色
稲村ヶ崎は、鎌倉幕府滅亡時の古戦場。新田義貞が黄金の太刀を岬から海に投げ入れて祈ると潮が引き、新田軍はときの声を上げて鎌倉に攻め込んで、幕府を攻め滅ぼしたといわれています。この辺りは遠浅で、義貞は、干潮時に浅瀬の部分が海上に出ることをうまく利用したとも考えられています。
11月ごろなら、辺りの岩壁に、イソギクやツワブキが黄色い花を咲かせているかもしれません。どちらもキクの仲間で、強い日差しや潮などにさらされる海辺で生き抜ける特徴が見られます。
花びらのない筒のような黄色い花をつけるイソギク。低い背丈と厚い葉で身を守り、葉の裏に毛が生えていて、乾燥を防いでいます。
「つや」のある葉が由来となり、「つやぶき」から名がついたというツワブキ。葉の表面がつるつるしていて、塩分がしみこみにくくなっています。イソギクやツワブキの黄色い花々は、ひなびた味わいの晩秋の海岸に、明るい彩りを添えてくれます。