ローカルスタッフの人心を掌握する哲学とは
ガイド:過日、早稲田大学での講演の中で、アジア諸国でローカルのマネジメントと日本人のマネジメントを比較すると、全ての評価項目において日本人が劣っていたという目を覆いたくなるような調査報告が説明されていました。現地のスタッフから称賛された山下さんは稀有の日本人ですね。以前、秘訣は「鉄の胃袋と笑顔」にあると言っていましたが、そのこころは?若者は日本人としての誇りを持ち、どんどん世界へ羽ばたいてほしいものです
山下氏:ここは自分の自信があるところですが、現地スタッフの心を掌握することです。そのためには歯を食いしばってでも経営者として、ボスとして全責任を負う覚悟を持って接する事です。
トップダウンは当たり前ですが、出来る限り、現地の習慣や文化を尊重しながら、ボトムアップの融合による我々流のやり方を大切にしてきました。胸襟を開き、徹底的に目指す方向性のベクトル合わせをして、経営者と社員が一体感を持って業務を遂行する形を各地で追求し、創造してきたつもりです。
明確な目標を掲げ、風通しを良くし、双方のコミュニケーションを図り、合意納得した形で、全社員が一体感と責任感を持って、組織を運営してきたことが信頼関係に繋がったと思います。
ガイド:現地スタッフからの信頼を勝ち取るにはトップダウンとボトムアップの融合による一体感が必要。十分なコミュニケーションを行い、ビジョンや方向性を共有化することで責任感が生まれるということです。更にはモチベーションアップにも繋がりますね。最後に、これから海外事業に携わる人へメッセージをお願いします。
山下氏:これからは益々グローバルでチームを組む機会が多くなると思います。上から目線ではローカルの人達はついてきません。トップとしての想いをぶつけ、ローカルスタッフと納得のいく形で目的と理念を共有すること。
そのためには、現地の文化や習慣を尊重する事が重要です。胸襟を開き、お互い本音を出せば意外とうまく行くものです。その機会の一つ場として、飲みニケーションは分りやすいですね。「鉄の胃袋と笑顔」とはそういうものの象徴であり、仕事は楽しくやらないと長続きしないですしね(笑)
ガイド:体験に基づくお話、ありがとうございました。山下さんのこれからの更なるご活躍を祈念しています。