花の博覧会ゲント・フロラリア(4ページ目)

ブラック・ボックス／Black Box

「ゲント・フロラリア」は流行にも敏感。昨今、フランダース地域のフラワーアーティストたちはシンプルな色使いを好む傾向にあるとか。一色使い、もしくは同系色のニュアンスを楽しむのが主流で、マルチカラーのブーケなどはすでに時代遅れとなっているようです。

シンプルな色使いは、忙しい現代を生かされる私たちに心の平安を与えるという意味でもぴったり。展示企画「ブラック・ボックス」は、照明を落とされた暗闇の中に、植物を使った現代美術顔負けの作品が幻想的に浮かび上がります。花びらや枝が織りなす陰影が見事。自然が育むラインや形の美しさに、あらためてハッとさせられた来場者も多いことでしょう。

私たちの庭の小さな妖精たち／Nos petits lutins de jardin

今回、ゲントの町の地元小学校も広く参加していたのが印象的でした。子どもたちが自分たちで育てた植物を、自由な発想で可愛らしいミニ庭園にして飾り立てていました。カブや向日葵といった短い期間で大きな変化が見られる植物が積極的に選ばれているとか。

どの植木にも最後に子どもたちのクラス写真が一緒に飾られていて、本当に微笑ましい限り。ここからきっとゲントの町を美しくする園芸の達人も生まれることでしょう。