ツボ・経絡

ものもらいをツボで改善するには?(2ページ目)

突然まぶたの内側がゴロゴロし、目のかゆみや痛みを感じるものもらい。地域によって様々な名称で呼ばれていますが、正式には麦粒腫と言います。今回はその麦粒腫の原因と東洋医学の観点から考える対処法についてご紹介していきます。

山木 伸允

執筆者:山木 伸允

鍼灸マッサージ師 / 鍼灸療法・ツボガイド

東洋医学から見る麦粒腫

東洋医学の観点では、膿などが体表に現れる状態は「痰湿(たんしつ)」といいます。この痰湿は、食物から作られた水分を身体に運搬する力を持つ脾(ひ)の経絡が衰えた時に体内に余分な水分が留まることで発生し、ドロドロとした塊を作り出します。これが体表に現れたものが麦粒腫であると考えられます。

こうしたことから、東洋医学の観点では麦粒腫の症状改善には食生活を始めとする生活習慣の見直しが必要であると考えることができるでしょう。

また肝(かん)のエネルギーは目の周囲を走行しており、これが停滞することで目の充血や痛みなどを引き起こします。この肝はストレスや怒りの感情の過剰により傷つけられ、熱として頭部に停滞すると考えられていることから、麦粒腫の症状改善には精神面での安定を取り戻すことも大切と言えるでしょう。

麦粒腫の症状改善に効果的なツボ

二間は身体の熱を取り去る効果があるとされる

二間は身体の熱を取り去る効果があるとされる

二間は麦粒腫の原因となる身体の余分な熱を取り去る効果があると考えられています。人差し指の付け根の外側のでっぱりからやや先端に近いところに存在しています。

 
脾のエネルギーを補い痰を排出する豊隆

脾のエネルギーを補い痰を排出する豊隆

また、脾のエネルギーを補い、身体に溜まった痰を排出する効果があると考えられる豊隆(ほうりゅう)も効果的でしょう。膝の外側と両くるぶしを結んだ真ん中の点とを結んだ線の中央にある筋の上に位置しています。

 
肝の気を補う陽陵泉

肝の気を補う陽陵泉

また、膝の外側かつ斜め下で脛の骨のでっぱりの下側にある陽陵泉(ようりょうせん)にも、頭部にとどまってしまった肝の気の流れを改善する効果があると考えられています。

ツボを利用した麦粒腫への対処法もぜひ試されてみてはいかがでしょうか。

 
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