外国人が殺到!世界に認めらる宿
1998年に冬季オリンピックの会場となり、そのスノーパウダーと呼ばれる抜群の雪質から世界各国のスキーヤーの聖地となっている長野県北部にある白馬村。そんな、外国人客も押し寄せる白馬村にスゴイ宿があるのです。その名は「しろうま荘」。ホテル業界のアカデミー賞とされる、「ワールド・ラグジュアリー・ホテルアワード2012」 においてラグジュアリー・スキーリゾート部門で最高賞のグローバルウィナー(世界1位)を受賞。そして昨年は、旅行業界全体を表彰する「ラグジュアリー・トラベル・アワード2015」でも、ラグジュアリー・マウンテンリトリート(山岳リゾート宿泊施設)部門で最高賞である大陸賞(Continent Award Winner)を受賞しました。
このアワードのマウンテンカテゴリーでの最高賞受賞は世界初。ヨーロッパやカナダのホテルより先に山岳部門での最高賞を受賞したというのですから快挙ですね。その他にも世界最大級の口コミサイトである「トリップアドバイザー」でも旅館部門賞を受賞するなど、まさに世界に認められた宿なのです。
宿の名に、歴史あり
宿の歴史は1930年代に遡るといいます。農家だった先先代がスキーに来た学生を家に泊めたことに始まり、自然発生的に宿泊業を始めたそう。そして、宿名こそ昔ながらの白馬を語っているのです。今でこそ「白馬(はくば)」、としてその名が知られていますが、村の名前の由来ともなった名峰「白馬岳」は「しろうま岳」と呼ばれています。雪解けの頃になると、白馬岳には馬の形をした岩肌が現れ、山里の民は馬を眺めるのと時を同じくして「代かき(田を耕すこと)」を始めたそう。当時、馬は貴重な労働力。その岩肌を人々は「代かき馬」と呼び、山を「代うま岳」「しろうま岳」と呼ぶようになったといいます。
明治以降、地図が整備されるようになると、誤って「はくば」と登録されてしまい、村の名は「はくば村」となったそうです。雪国に春の訪れを告げる「しろうま」。その名を残した宿名に、地域への深い愛情が感じられますね。
宿は、改装を重ねながらも、昔ながらの民家を伝える佇まい。玄関には農家時代の柱や梁が生かされ、館内は田舎の家に招かれたような懐かしい雰囲気が漂っています。18室ある客室は和室が主体で、本館2階の一部客室と別館全室からは迫るような北アルプスを望むことができます。その雄大な山並みは、日常をしばし忘れさせてくれ、心が洗われるような風景です。
滞在中は、囲炉裏のロビーラウンジでは読書をしながら寛ぐのもいいでしょう。館内には、書画や装飾品などがセンス良く設えられ、民芸調というより洗練された空気が漂っています。
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