贈り物を送るとき、渡すときに注意したい言葉3例とは

贈り物や手土産に関する言葉の中にも、うっかり誤用であったり、言い換えたほうが好ましい言葉もあるものです

贈り物や手土産に関する言葉の中にも、うっかり誤用であったり、言い換えたほうが好ましい言葉もあるものです

人に贈り物をする機会というのは、ビジネスでも日常でも案外多いものです。たとえば、お中元やお歳暮のしるしとして送ったり、相手の家や会社を訪問したりする場合にちょっとした手土産を持って行くなどさまざまです。

そのような贈り物での対面のあいさつや添え状を書く際に、うっかりやってしまいがちな誤りや失礼になりかねない、注意したい言葉を見直してみましょう。


その1:こちらお裾分けですがどうぞ

「お裾分け(御裾分け)」とは、「裾分(すそわけ)」の丁寧語・美化語です。人からもらった品物の一部を、さらに他の人に分け与えることという意味です。ですから、親しい友人であれば問題ないかもしれませんが、目上の人に使うのは好ましくないという理由で時折問題にあげられる言葉のひとつです。

「裾(すそ)」は 、着物の裾のことを指して、裾とは地面に近い下の部分ですから、その点も影響していると言われ、「少しばかりですが」または「お福分け」などの表現に言い換えられることが多いでしょう。


その2:どうぞご賞味ください

こちらも、とらえ方の個人差はあるかもしれませんが、言葉本来の意味としては失礼にもなりかねない表現です。なぜなら、「賞味」とは、食べ物をほめ味わうことという意味をもちます。

ですから、「実家でとれた○○をお送りいたします。どうぞご賞味ください」などと言ってしまいますと、自分の贈り物を相手に「どうぞほめてください、ほめて味わってください」という、何だか偉そうな、押しつけがましい表現にもなりかねません。

ここは、同じ「しょう」であっても「ご笑納ください」や「ご笑味ください」を用いれば、「(お口に合いますかどうかわかりませんが)どうか笑ってお納めください・召し上がってください」という謙遜の気持ちが込められるものです。


その3:少しばかりですが、おもたせです

言っている人の気持ちとしては、「手土産」のつもりで使っているのかもしれませんが、「手土産」と「おもたせ」とでは全く意味が違います。

「手土産」とは、人を訪問するときに持って行く物。あいさつがわりとしてのちょっとした土産。「おもたせ(御持たせ)」とは、「おもたせ物」の略で、お客様が持ってきた手土産のことを指し、そのお客様の前で言う場面で使う言葉です。

自分が持って行く物ではなく、相手が持ってきた物を指すのですから、「少しばかりですが、おもたせです」「こちらのお菓子は、おもたせにも重宝するお菓子で気に入ってます」などと使ってしまいますと、「あれ?意味を知らないのかな?」などと思われかねないものです。自分が持って行く手土産ならば、「ほんの気持ちばかりですが」「心ばかりのものですが」「お口に合うとよろしいのですが」などの表現が適切です。

そして「おもたせ」の正しい使い方としては、来客が持ってきた物を、その来客の前で品物を開けて勧めるわけですから、「おもたせで恐縮ですが、どうぞ」「おもたせで恐縮ですが、どうぞ召し上がってください」などとなります。

このように、「手土産」と同じ意味で誤って使ってしまったり、身近な言葉でもつい意味を知らずにうっかり間違いというのは、案外あるものです。よく使う言葉だけにその意味の違いを知り、上手く使い分けることもおとなの気くばり・マナーと言えますね。
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