水夏希さん
『CHICAGO』とタイトルを聞いただけで、ワクワクする方も多いのでは?あの危険で退廃的でスタイリッシュな世界!それも今回は世界初の挑戦、女性キャストオンリーですから見逃せません。宝塚歌劇100周年を記念してのトップスターOGによる『CHICAGO』。ヴェルマ・ケリーを演じる元雪組トップスター水夏希さんに話を伺いました。
「ようこそ、『CHICAGO』ファミリーへ」の言葉に感動!
——出演のオファーを受けた時、どう思われましたか。かなり前にお話をいただいて、迷う余地なく「もちろん出ます!」と。すごく嬉しいです。映画の『CHICAGO』も大好きですし、宝塚歌劇100周年というこの時期の『CHICAGO』だからこそ出演できる。作品の大きさもわかっていたので、公演までにどんな準備をすべきかと焦ったりもしました。
——実際に、何か準備をなさいましたか。
映画を見直し、フォッシーの他作品の映像も見ました。大澄賢也さんによるフォッシースタイルのダンスワークショップにも行きました。オファーを受けてからの自分の公演も、『CHICAGO』を念頭に置いてやりました。
——フォッシーの振付はどんな印象ですか?踊りやすい?
いや、踊りにくいです。角度ひとつひとつに独特なフォッシースタイルがあり、それが決まるまでが難しい。奇妙な形なので、カッコ良く見せるのが大変なんです。『DANCIN’ CRAZY2』の中で『CHICAGO』のダイジェスト版に出演した方はすでにワンステップ上にいるので、初心者の私は、ハァ!ってなります。
——振付はフォッシースタイルの第一人者・大澄賢也さんですね。
お稽古ではものすごくテンション高く、指導してくださいます。大澄さんのワークショップに行った時、まず「ようこそ、『CHICAGO』ファミリーへ」と言ってくださり、ものすごく感動しました。今回の顔寄せの時には、演出の吉川徹さんが「世界中の『CHICAGO』を代表して僕が言わせていただきます。ようこそ、『CHICAGO』へ」と。あ、世界中がファミリー!って、再び感動しました。めちゃくちゃ新しい扉を開けている最中だと実感しています。
——この作品の魅力は?
やはり歌とダンスですね。どれも魅力的なナンバーで、どの曲もシーンも大好きです。自分が出ていないシーンも楽しくて見入ってしまう程です。
——『CHICAGO』はストーリー自体、とてもアメリカ的ですよね。
そうですね。1920年代のシカゴで女性が殺人事件を起こしてスターになる。私を踏み越えて行くなんて許さないという、アメリカ女の強さやプライドが、とてもアメリカ的だと思います。もちろん実在の人物をモデルにしているので、リアルな国民性だと思うのですが、日本ではありえないんじゃないかな。「アメリカ人になってください」って言われているんですよ。