ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

お祭り騒ぎ!『アリス・イン・ワンダーランド』の世界

いかれた奴らがお祭り騒ぎ! まるで紅白歌合戦みたいなミュージカル、『アリス・イン・ワンダーランド』が2年ぶりに還ってきます。世界観はポップでセンス抜群。特に衣裳が可愛すぎる! この衣裳は世界的な衣裳家スーザン・ヒルファーティによるデザイン。ブロードウェイ公演で着用されたものがそのまま使われています。ということで、会見&お茶会時に衣裳部屋に潜入。その様子をレポートします。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

会見写真

会見にはメインキャストが扮装姿で登場。

ワチャワチャした、あの不思議な奴らが還ってくる!

『不思議の国のアリス』といえば、ルイス・キャロルによって書かれた、誰もが知っている物語。ディズニー映画やティム・バートン監督の映画でもお馴染みですね。その話をテーマに『ジキル&ハイド』『ボニー&クライド』などで知られるフランク・ワイルドホーンが作曲。ミュージカル『Wonderland』として、2011年にはブロードウェイで上演されました。日本では2012年に『アリス・イン・ワンダーランド』の名で青山劇場で上演、大変な話題となりました。

嬉しいことに、その”アリス”が2014年11月に再演。あのワチャワチャした、愉快で笑っちゃう、かつちょっぴり切ない感じもする、不思議な世界が帰ってきます!

主人公アリスは、働く女性の悩みを抱え込むリアルな女性

題材から、子供向けのお気楽ファンタジーと思われる方が多いでしょうが、実はそうでもないんです。日本版のストーリーは原作とはかなり異なり、特に働く女性にとってリアリティを感じる切実な物語になっています。

主人公アリス・コーンウィンクルは、編集者でバリバリのキャリアウーマン。夫ジャックと一人娘のクロエと暮らす主婦でもあります。仕事に追われて思春期の娘のクロエとも上手くいかず、会社では上司と諍いとなり、やけ酒を飲んで家に帰ると、別居中の夫や娘と揉めて……そんなある日、ワンダーランドへの謎に満ちた冒険が突然始まります。

初めて台本を読んだ時、正直、なんて身につまされる話だろう……と我が身を振り返り、胸が痛みました(汗)。 これは日本版独自のストーリーで、ヒーローをテーマにしたブロードウェイ版からもかなり変わっています。シリアスな命題を突きつけられる点では、ある意味とても演劇的。観終わった後は「人生を変えよう、新たな一歩踏み出そう」とも思えるはず。

舞台写真

アリスはスタイリッシュな服。2012年公演より。

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