イタリア/ナポリ

美術館とともに! カポディモンテの王宮と庭/ナポリ(2ページ目)

ナポリに行ったらぜひとも訪れたいカポディモンテ美術館。イタリア最大のコレクションもさることながら、王宮の建築と庭園、歴史も知っておくと、美術館の楽しみもひとしおです。

河村 英和

執筆者:河村 英和

イタリアガイド

カポディモンテ美術館の歴史

museo di capodimonte

アレッサンドロ・ファルネーゼの肖像の並ぶ部屋 (c)Ewa Kawamura


Armi

武具コレクションの部屋 (c)Ewa Kawamura

カルロ7世の母エリザベッタ・ファルネーゼが所有していた美術コレクションは、「ファルネーゼ・コレクション」と呼ばれ、カポディモンテ美術館の骨格をなしています。それは15世紀に遡る先祖、ローマ法王パウルス3世(アレッサンドロ・ファルネーゼ)が始めたもので、コレクションはあまりに多岐にわたるため、古代ローマ彫刻などは、ナポリの国立考古学博物館に収蔵されています。さらにコレクションは、ローマだけでなく、パルマ、ピアチェンツァなど、ファルネーゼ家各地の館にありました。

Scuola napoletana

ナポリ派絵画のコレクションの部屋 (c)Ewa Kawamura

ナポリへの移動は少しずつ行われ、1735年にはじまり、19世紀半ばまでかかっています。最初に移送されたコレクションを公開すべく、カポディモンテ美術館が開館したのは、1757年ですが、ファルネーゼ家の武具コレクションがナポリに送られてきたのは、1864年でした。また17-18世紀のナポリ派絵画は、19世紀初頭、ナポリがナポレオン軍に支配されていたとき、当時のナポリ王ミュラが蒐集させたもので、ファルネーゼ・コレクションではありません。

館内各階の収蔵品案内はこちらへ>>>圧巻のコレクション! カポディモンテ美術館を極める

森の庭園も

giardino di capodimonte

カポディモンテ宮殿の窓からみた庭園 (c)Ewa Kawamura


bosco

カポディモンテの森 (c)Ewa Kawamura

王宮には、森のような広大な庭園も付随しています。ここで散歩をしたり、日向ぼっこをしたり、サッカーに興じる子供たちも多く、ナポリ市民の憩いの場です。134ヘクタールもの広さのある庭園は、1742年、バロック建築家フェルディナンド・サンフェリーチェが設計したもので、啓蒙主義的な放射状の通路と、碁盤の目の通路を混在させた区画整備がされています。19世紀には、自然の景観を装う英国式庭園にリニューアルされました。

servizio dell'oca

王立磁器工場製のカポディモンテ焼きの宮廷用の皿 (c)Ewa Kawamura

園内には、同じくサンフェリーチェの設計したサン・ジェンナーロ教会(1745年)とカポディモンテ焼きの王立磁器工場(1743年)、牛舎、塔などの建物が点在して庭園に華を添えています。カポディモンテ焼きは、時代とともにスタイルを変えながら、今もナポリで生産されている陶磁器で、価格もリーズナブルなものから揃っていて、お土産にも最適です。

<DATA>
Museo Nazionale di Capodimonte(国立カポディモンテ美術館)
見学時間:8:30~19:30(毎日開館)
住所: Via Miano, 2, 80137 Napoli
TEL:+39 081 749 9111
アクセス:市内バスまたはタクシー(バスは危険地区を通過し、時間帯によっては本数も少ないので、タクシーがお薦めです)
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でイタリア関連の書籍を見るAmazon でイタリアの旅行ガイドを見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます