中学受験願書の志望動機書き方や写真準備コツを例文付きで紹介
中学受験の願書、志望理由や子どもの長所短所、家庭の教育方針などはどう書いたらよい?
中学受験の入試本番が近づいてくると、生徒本人も保護者の皆様も、浮足立ってそわそわし始めます。第一志望校はこのままでいいのかしら、併願校はどうしたらいいのかな、練習校は何校受けたらいいの、さまざまな悩みが噴出してくる時期でもあります。気持ちを落ち着かせようと思っても、ますます不安が募ってしまうものです。
そうした状況に陥らないためにも、出願書類はなるべく早めに準備しておくのが良いでしょう。願書の準備が完了していれば、少しは気持ちを落ち着かせることができます。そこで願書の写真準備や志望動機・志望理由の書き方、子どもの長所短所や特技、家庭の教育方針などの書き方についての注意点や例文付きでポイントをお伝えしたいと思います。
受ける可能性ある学校の中学受験願書は全て取り寄せよう!
中学受験の願書は、受験する学校だけ、しかも出願期間が迫ってきた学校だけ書けばよいと思っていませんか。それは決して間違いではありません。期限が迫ってきたら受ける分だけ書けばよいというのは当たり前のことですよね。もちろん本来は、受けない学校の願書を書く必要などありません。しかし私はあえてこうアドバイスを差し上げたいと思います。中学受験する可能性のある学校の願書は、片っ端からご準備ください。受験しない可能性もあるが、万が一の時にはこちらの学校も受験する可能性がある、そういった学校の願書まで準備しておくと、まず安心感が得られます。これで何があっても大丈夫だという気持ちでいれば、受験直前の慌ただしい時期に余計な心配をしなくて済みます。
また、受験は「まさか」がつきものですので、突然そういう事態に陥ると、人は冷静な判断ができなくなってしまいます。心が平静であるうちに、その「まさか」に備えておけば、いざというときに慌てなくて済みます。
調査書が必要なら、担任の先生に早めに相談を
最近では多くの私立中学で、小学校が発行する調査書を提出する必要がなくなってきています。通知表のコピーさえ不要という学校も少なくありません。まずは志望校のうち、どの学校で調査書が必要なのか、きちんと調べておいてください。小学校の先生によっては、調査書の作成に協力的でない方もいます。特に「私立中学受験」に反対の立場を取っている先生の場合、あからさまに嫌悪感を示す人もいるようです。このような場合は、保護者の方がきちんと説明を尽くして、担任の先生に気持ち良く書いてもらえるようお願いをしてください。
特に国立大学附属中学の場合、この調査書の内容がかなり重要になってきますので、注意が必要です。担任の先生との関係がこじれると、書き渋られたり、内容を良く書いてもらえなかったりする可能性もありますので、担任の先生との関係は良好に保つよう心掛けてください。
中学受験願書の志望動機・志望理由は学校ごとに
中学受験の願書には通常「志望動機・志望理由」を記入する欄があります。時々この部分を面倒くさがって、「どうせ合否には関係ないのだから」と、出願校すべて同じものを使いまわす保護者の方がいらっしゃいますが、それは避けたほうがよいでしょう。願書の志望動機・志望理由の欄には、その学校のどこに魅力を感じたのか、なぜその学校に通わせたいのかをしっかりと明記するようにしてください。どんな学校でも通用するような、ありきたりな内容ではなく、その学校の校風や特徴をとらえた内容にするのがお勧めです。文化祭・説明会などの印象を書き添えておくと、なおよいと思います。
大学の附属校の場合、ただ「子どもを○○大学に進学させたいから」と書くのは、あまり好ましくありません。その大学のどこに魅力を感じているのか、その大学のどんな部分が素晴らしいのかを、きちんと書くようにしてください。
また面接を課す学校の場合、願書の内容と本人の発言があまりにも食い違っているのも、学校側には良くない印象を与えます。志望理由については家族でしっかり話し合って、コンセンサスを取っておくようにしましょう。
中学受験願書の志望動機の例文
中学受験願書の志望動機を生徒が書く場合には、あまり気取った表現や大人が使うような言葉は使わないようにしましょう。保護者の方が手直しをする場合には、文章のねじれや構成だけを修正するようにしてください。「親が代筆した」とわかってしまうのはマイナス印象です。例文
「僕がこの中学を初めて訪れたとき、先輩たちが楽しそうに登校している姿を見ました。きっと学校の雰囲気がよいのだろうなと感じました。先生方の指導が行き届いている印象を受けました。また僕は走ることが大好きなので、豊かな自然に囲まれたこの学校に入ることができたら、ますます楽しく走ることができそうだと思いました。グラウンドの立派なトラックもとても魅力的です。そんな〇〇中学に是非とも入学したいです。」
保護者の方が書く場合には、中学受験はあくまでも子どもが主役ですから、親の希望が前面に出過ぎないように心がけましょう。大学進学の希望は、特に中学校側が説明会などで強調していない限り、志望理由には盛り込まない方が無難です。
例文
「息子〇〇は、これまで御校の文化祭や作文講習、部活体験など様々なイベントに参加させていただき、先生方に対して親近感や信頼感を抱き、御校での学校生活を強く希望し楽しみに感じています。私たち保護者といたしましては、御校の校風、学習課程など様々な点に魅力を感じましたが、中でも特に強く惹かれたのが通われている生徒さんたちの快活で親切な姿でした。是非わが子にも、御校の緒先輩たちのような明るく元気で誰にでも丁寧に接することのできる中学生になって欲しいと願っています。
中学受験願書の志望順位は正直に
中学受験の願書には、志望順位を書く欄を設けている学校もあります。第一志望でない場合に何と書くべきか悩むところですね。正直に書いたりして、それが原因で不合格にされないかしら、とご不安になるのも無理からぬところです。しかしたとえそこに「第二志望」と書いたとしても、それが減点対象になることはありません。学校側としては、「合格者の手続き率(歩留まり率といいます)」を予測する手がかりとして、志望順位を書かせている場合がほとんどですので、そこは気にせず正直に書きましょう。それで不利になったりすることはまずないとお考えください。
また第三志望以下の場合まで、正直に書く必要はありません。それが第二志望なのか第五志望なのかは本人にしかわからないことですので、たとえ第五志望であっても、そこは第二志望と書いておくのが良いかと思います。
中学受験願書項目の「家族構成」について
保護者が卒業生であると、入学が有利になることもあるので願書に記入を
中学受験願書項目の家族構成については少し気をつけなければならないこともあります。まず、両親が離婚または別居している場合、カトリック系の学校では不利に働くことがあります。きちんとした理由を明示できるようにしておくとよいでしょう。
また、一部の学校では、保護者の方がその学校の卒業生である場合に、それが入学に有利に働くケースもあります。そう言った情報がある場合は、記入し忘れないようにしてください。
中学受験願書項目の「家庭の教育方針」について
中学受験願書項目の家庭の教育方針の欄にはいったい何を書けばいいの?とお悩みの方は、まず志望校のホームページやパンフレットなどに書かれている、その学校の教育理念とか校長先生の言葉などをよく読んでみてください。その中にはきっと、みなさんが子育てをしてきた上で共感できる部分や理想とするものが見つかるはずです。それをアレンジして教育方針として書けばよいでしょう。このとき気をつけなければならないのは「ウソを書いてはいけない」ということです。たとえばキリスト教系の学校を受けるからと言って、実際には教会に行ったこともないのに「毎週日曜日に家族で礼拝に行きます」などと書くと、面接などでウソがばれてしまったときに印象点がとても悪くなってしまいます。少し誇張して書くくらいなら構いませんが、全くのウソは危険ですので注意してください。
中学受験願書項目の「子どもの長所短所・特技」はどう書くか
中学受験願書項目には、子どもの長所・短所などを書かせる欄があることがありますが、どう書けばよいか難しいところです。わが子をほめ過ぎても「親バカ」ととられる可能性がありますし、かといってほめるところが何もないのでは問題です。さじ加減が難しいのがこの欄です。そこで私がおススメしたいのが「ネガポジ作戦」です。これは、いったん子どものマイナス的側面を書いておいて、同じところをポジティブに言い換える、というものです。たとえば「わが子は少し注意力散漫なところがあり落ち着きに欠けます。しかし一方でそれは好奇心旺盛ととらえることもできますので、私たちは何にでも興味を持てるという側面を伸ばしたいと考えています」こんな風に書くと、短所を嘆くでもなくほめ過ぎてもおらず、しかもポジティブシンキングで好印象ですよね。ぜひ活用しみてください。
受験願書の「特記事項」は加点の対象になることも!
中学受験願書項目の特記事項の欄には充分注意してください。学校によってはその特記事項が加点対象や補欠合格の際のアドバンテージになる場合があるのです。たとえば山脇学園中学では、英検4級以上を持っていると、補欠合格繰上げ順位が上がる仕組みになっています。学校説明会などで説明があると思いますので、説明会の内容は聞き漏らさずにしっかり聞いてきてください。たとえ些細なことであっても、合否に有利にはたらくことがありますから。
願書を書き損じた場合の対処のしかた
中学受験の願書で書き損じてしまった場合、どう対応するのが良いのでしょうか。基本的に「願書の書き方」で合否が左右されることはありませんので、修正液などを使って書き直しても大丈夫です。しかしできれば、きれいなものを提出したいところですよね。そこでお勧めなのが、「願書を2部もらっておく」という方法です。多くの学校では、学校説明会などで願書が配布されますので、ダブったからといって捨てずに、取っておくようにしましょう。どうしても2部入手できなかった場合は、願書のコピーを取り、下書き練習をしておくとよいと思います。
また面接を課す学校を受験する場合、書き上げた願書は提出する前に必ずコピーを取っておくようにしましょう。面接時には必ず願書が参照されますので、願書の内容と本人や保護者の方の発言とが食い違っていると、面接重視の学校の場合マイナスポイントとなってしまう可能性がありますから。
中学受験願書の写真準備のポイント
中学受験願書の応募書類に貼る写真についてお話しておきたいと思います。駅などに設置されているスピード写真機ですが、最近のものは画質もよく、データ保存も簡単なので様々な場面に利用されています。私もつい先日、マイナンバーカードを申請するのにスピード写真機で撮影しましたが、思いのほか仕上がりがよくて驚きました。中学受験の願書用写真も、これで充分対応できると思います。しかしそれでもやはり、町の写真屋さんに撮影を依頼するのがよいと思います。町の写真屋さんに頼んでおけば、必要な時にいつでも同じ写真を用意することができます。中学受験では不測の事態というのがたまに起こります。夕方までに突然新たな願書を提出しなければならないとも限りません。そんなときにすぐに現像してくれる町の写真屋さんは大変便利です。ただし定休日などはしっかりと把握しておくようにしましょう。
スケジュール確認もしっかりと
スケジュールの確認も大切です。1月校の埼玉県や千葉県は、12月上旬から願書受付を開始する学校もあります。神奈川県の学校では1月上旬から、東京の学校では1月20日前後から出願がスタートとなります。出願開始はいつからなのか、出願締め切りはいつなのか、しっかりと確認しておいてください。入試日や合格発表日と併せて、スケジュール表を作成されておくのもよいでしょう。くれぐれも出願期間に間に合わなかった、ということのないようにしてください。先を見越して準備をしっかりしておけば、直前期に慌てずに済みます。事前準備をしっかりとおこなって、万全の態勢で入試に臨んでください。
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