アート・美術展/アート・美術展関連情報

アートは地域に何をもたらすのか?(2ページ目)

自然が広がる田舎でも、商業施設が立ち並ぶ大都会でも、日本各地でアートイベントやワークショップが開かれ、地域を盛り上げようとしています。B級グルメや名産品とは異なる魅力は何か、アートは地域とどう関わっているのかを探ります。

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

アートを通じて地域を知ってもらう

こうした活動は、一部のアートファンのためのものではありません。子どもから大人までの幅広い層の人たちに、北九州に伝わる文化遺産を知ってもらったり、地元企業の協力で制作したアートを通じて地域を知ってもらおうというものなのです。

「北九州のディテール展」undefinedphoto Kyoko Omori

「北九州のディテール展」 photo Kyoko Omori


 
たとえば、「北九州のディテール展」。北九州市内には、この100年間に著名建築家が建てた名建築が多く残っています。そんな名建築を舞台とし、建築家、建築史家、写真家と協力して、モノクロ写真の展覧会を企画。全国的にも大変珍しい建築物の写真展というだけでなく、会期中に建築家や建築史家のガイドで実際の建築を巡るバスツアーも開催しました。


「銅鍛金ミニフライパン作り」

「銅鍛金ミニフライパン作り」


 
見るだけではありません。北九州の産業である「ものづくり」を体験するワークショップも行っています。この「銅鍛金(どうたんきん)ミニフライパン作り」は、鉄の街・北九州ならではのワークショップ。銅を叩くなどして小さなフライパンをつくり、金属での造形を体験しました。





アートは地域に何をもたらすのか?

いま日本各地でアートイベント(●●芸術祭、●●ビエンナーレ、●●トリエンナーレといった名前の展覧会)が盛んに開催されています。様々なワークショップも毎週末どこかの美術館、アートイベントで行われています。しかし、アートの楽しさをその場だけで伝えることができても、伝える側も鑑賞する側もなかなか継続できないのが実情です。

牛嶋均ワークショップ「行くブランコ自力回転実験」

牛嶋均ワークショップ「行くブランコ自力回転実験」


 
今回ご紹介した北九州市のアートNPO「創を考える会・北九州」の活動は、今年で10年目を迎えます。ただアートの楽しさを伝えるのではなく、アートを通じて地元を見直すきっかけ、観光やグルメではない視点での紹介をすることを行っています。

アート作品は、見た目だけではない「気付き」を与えてくれるものです。難しく考えないで、皆さんの周りのアートイベントやワークショップに、ぜひ足を運んでみてください。自分の町のこと、人と人のつながり、そしてアートの楽しさを味わう秋もいかがでしょうか。
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