ヨーロッパとアジアの架け橋イスタンブール
ヨーロッパからアジアへ、アジアからヨーロッパへはじめてボスポラス海峡を渡る商人や旅人は、この街が言葉だけではなく、本当に「ヨーロッパとアジアの架け橋」であることをひと目で感じることになる。西の隣国ギリシアは正教会のお膝もと。エーゲ海の開放的な気候のもと、西ヨーロッパと変わらぬ近代的な街並みが広がっている。南・東の隣国シリアやイランはイスラム教国家。どの街でも毎朝アザーンが鳴り響き、女性はベールをまとい、イスラム教の教えの下で日々暮らしている。今回は、古来よりヨーロッパとアジアの交差点として栄華を極めた1,600年の帝都「イスタンブール歴史地域」を紹介しよう。
世界遺産「イスタンブール歴史地域」を歩こう
ガラタ塔から見下ろした旧市街。旧市街を見渡す写真の多くはこの塔から撮影したものだ。右の橋がガラタ橋、手前の海が金角湾、奥にはいくつかミナレットを持つビザンツ式の建物が見える ©牧哲雄
エジプトの世界遺産「古代都市テーベとその墓地遺跡」登録のカルナック神殿から持ち運ばれたテオドシウス1世のオベリスク ©牧哲雄
よく写真で見かけるのは、尖塔に囲まれた丸い屋根の建物。尖塔をミナレット、丸屋根式の建築をビザンツ式、建物をジャミィ(寺院)というが、有名なジャミィはほとんど旧市街にある。
一方、新市街はまるでヨーロッパ。一大ファッションタウンとなっており、ブティックや世界各国のレストラン、クラブなど、近代的な街並みが広がっている。
街歩きがとにかく楽しいイスタンブール。オススメの散歩コースを5地区に分けて紹介しよう。