パリ/パリの美術館

ギュスターヴ・モロー美術館/パリ

モンマルトルとオペラ地区の中間点に位置するギュスターヴ・モロー美術館。19世紀の画家ギュスターヴ・モローが人生の後半を過ごした住居兼アトリエを、彼の遺言のもと美術館に改装しました。聖書の世界を幻想的な作風で表現した偉大なる画家の作品、そして特徴的なインテリアを見ることができます。

野口 裕子

執筆者:野口 裕子

フランスガイド

ギュスターヴ・モロー美術館/パリ

ギュスターヴ・モロー美術館

大作が並ぶ3階のアトリエ

19世紀の古典画家ギュスターヴ・モローが晩年まで暮らした住居兼アトリエを改装した美術館は、モンマルトルの麓のひっそりとした住宅街にあります。聖書の世界を独特の作風で表現したギュスターヴ・モローの数々の作品、そして家具や調度品がそのまま残された住居の様子など、モローの創作の世界にどっぷりと触れることができる貴重な美術館。芸術家のお宅に招かれた気分で訪問してみましょう。

ギュスターヴ・モローとはどんな画家?

ギュスターヴ・モロー美術館

強烈なインパクトを残す作品「出現 Apparition」

ギュスターヴ・モローは1826年に生まれ1898年に死去したパリの画家です。ロマン主義の巨匠ドラクロワに憧れを抱きつつも、ラファエロなどのイタリアの古典主義から強い影響を受けた作品たちは、キリストや聖書の世界を描く古典絵画に幻想的な要素を加え、神秘的な作風へと昇華させ、文学者から高い評価を得ました。

ギュスターヴ・モローの作品は、詩的な要素を持ちつつも強烈な表現が多く、心に強く突き刺さります。見ていると、そのまま絵の世界に引き込まれていくような不思議な感覚に陥ります。

モロー自身の遺言により実現した美術館

ギュスターヴ・モロー美術館

アトリエの美しいらせん階段は必見

美術館は彼が青年時代から晩年までを過ごした住居兼アトリエを改装したもので、彼自身の遺言により完成されました。住居部分は数々の調度品が飾られた書斎、モローと交流があった芸術家の作品が並んだ廊下、エドガー・ドガによって描かれたモローのポートレイトが飾られ、チェスが並んだ寝室、見事な陶器のコレクションが見られる食堂、そして青い壁に所狭しと飾られた絵画のコレクション、見事な家具や調度品で埋め尽くされた居間で構成されています。

そして2フロアにわたって展開されるアトリエは、モローによる大作が存分に鑑賞できる空間。大きな絵がぎっしりと並べられた贅沢な展示となっているので、ゆっくりと時間をかけてまわりましょう。また、全ての作品のデッサンの貴重なコレクションもあるので、お見逃しなく。上階のアトリエへ続くらせん階段はとても美しく、ここからの眺めもまた見どころの一つです。

ギュスターヴ・モロー美術館 Musée National Gustave Moreau
住所:14 rue de La Rochefoucauld 75009 Paris
電話:01 48 74 38 50
アクセス:地下鉄12号線TriniéかSaint Georgesから徒歩5分
開館時間:月・水・木曜:10:00~12:45/14:00~17:15、金・土・日曜10:00~17:15
休館日:火曜日、1/1、5/1、12/25
料金:5ユーロ、毎月第一日曜日は無料
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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