日本では世界でもまれに見るほどパッシブ愛好者の多い国です。というか、アクテイブ不信が強い国です。そんなアクティブ批判でいつも語られる数字があります。それは、「アクティブファンドの過半は市場平均に勝てない」という事実です。
アクティブファンドがインデックスに勝つ意味
しかし、よく考えてみると、この判断はおかしなものです。なぜなら、もしアクティブファンドのすべてが市場平均に勝ってしまうと、それだけで市場平均を押し上げてしまうからです。パッシブの成果が市場平均に対してプラスマイナスゼロであるなら、アクティブの成果もプラスマイナスゼロでないとつじつまが合いません。運用方法が市場の収益率を上げる!なんてことがないことは、面倒な検証をしなくても、直感で分かりそうなことですね。それは、イチゴを好きな人が増えたからといってイチゴが早く生育するわけではないこととおんなじです。
そもそも、投資における市場の収益率は、すべての運用手法から独立しています。経済の影響を受けるのであって、投資スキルの影響は受けません。その意味では、市場の収益率は常に中立的です。その中立性に投資するのがパッシブ愛好者です。
それに対して、市場収益を上回るアクティブ成功者が生まれてくるとすると、その超過収益の源泉はどこにあるのでしょうか?
そうです。アクティブ失敗者の損失がアクティブ成功者の収益の源泉なわけです。勝った分だけ負けた人がいる、これ物理学の普遍的な法則です。
勝てるファンドを選べばいい!
その意味では、アクティブファンドの勝敗率は50%であって当然です。アクティブファンドの全体の勝率を云々いって、アクティブファンドの品質を計ることは、意味がないことにご納得いただけますか?むしろ大事なことは、勝てるアクティブファンドをどう選ぶか?どんなファンドが勝てるのか?という質の検証なのです。
しかし、日本にはアクティブファンドの中身を語れる専門家が非常に少ない。だから、コストだけでファンドを評価する方法がメジャーになり、パッシブ愛好者を増やしているのだと考えられます。
真実を知りましょう。
自分の期待する世界だけ見ていたら、真実には出会えません。