“多彩にして濃厚”なターボエンジン
ポルシェターボ。“ミニクーパー”と同じく、高性能車好きをノックアウトする“ワンワード”だ。そして、最新の“ポルシェターボ”たち(含むカイエン)に託された役割はというと、グループ最新テクノロジーの走るショーケースである。ポルシェブランドの生命線というべき911において、それが最も顕著であるということは、言うまでもないだろう。最新のポルシェ911ターボはハイエンドスポーツ×ハイクラスラグジュアリィを極めにかかった。オールマイティさという点において、南方系スーパーカーをあざ笑うかのようだ。
ポルシェターボ、そしてターボSに積まれている、可変バルブタイミング+可変バルブリフト+可変ターボンジオメトリーという、“可変”だらけの直噴3.8リッターボクサー+ツインターボチャージドエンジンのフィーリングをワンフレーズで表現するならば、それは、“多彩にして濃厚”、である。
イタリア系12気筒にも、イギリス系8気筒にも、日本系6気筒にも、否、同じドイツ系マルチにも、それは見つけられない感覚だ。精密な機械パーツが、どこまでも正確に、ギュッと引き締まって作動し、そこからドライバーの右アシの加減ひとつで、さまざまなキャラクターが発散される。