日々のパートナーとして最高の存在

ポルシェボクスター

2004年に2代目へと進化、2008年のマイナーチェンジではATのティプトロニックSに代わり、ダブルクラッチ式トランスミッションの7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)が採用されている。2.9リッターエンジンを搭載するボクスターと、直噴3.4リッターのボクスターS、軽量化などが施されたピュアスポーツのスパイダーをラインナップする。価格は563万~913万円

ポルシェボクスター

可変バルブタイミングシステム(バリオカム・プラス)などを備えるオールアルミ水平対向エンジンを採用。ボクスターSは最高出力310ps/最大トルク360Nmの直噴(DFI)3.4リッター、ボクスターは最高出力255ps/最大トルク290Nmの2.9リッターを搭載する

安価なスポーツカーを作りたい。それはビートルを世に送り出した天才エンジニアを父にもつフェリーの、ある意味、挑戦だったのかも知れない。その心意気は、ビートルの同じRR形式をもつ(ゆえに安い)356シリーズを生み、911シリーズへと発展する。

親子で成された、20世紀自動車界の奇跡。もっとも、フェリーが最初に作ろうとしたのは、ミッドシップの小型スポーツカーだったという。ポルシェはのちに、ふたたびVWと共同で914&916という小型ミッドシップカーを世に送り出すが、大成功を納めたという点で、'90年代に誕生した、このボクスターには敵わない。

911のパーツを巧みに流用して創り出された、本格2シーターミッドシップスポーツでありながら、なんと911シリーズよりも安価なロードスター。ヒットしないわけがない。

ポルシェボクスター

スポーツクロノパッケージ(19.4万円)にはスポーツプラススイッチが備わる

2世代目へと進化した今や、ポルシェブランドへの入門用のみならず、本格スポーツ走行をたしなむ愛好家にも人気のモデルとなっている。

水平対向エンジンのパワーアップやシャシーポテンシャルの向上など、そのあまりの進化ぶりに近年では、純粋なスポーツ走行性能において、ボクスターとそのクーペ版であるケイマンは、911シリーズを事実上、上回ったとの指摘すら見受けられるようになった。

ポルシェボクスタースパイダー

最高出力320psの3.4リッターエンジンを搭載、Sと比べ80kgの軽量化やサスペンションの強化などが図られたスパイダー。他のグレードと同様に、6MT(866万円)とPDK(913万円)が用意されている

911より安価、911より本格派のスポーツカー……、ボクスターの魅力は、この2つに集約されるが、もうひとつ、あえて挙げておくとすれば、サイズが若干小さいため、911よりもカジュアルに乗りこなせるという走行日常性の高さだろう。2シーターゆえの不便を問題なしとできる方ならば、清々しい日には空さえ仰げるボクスターは、日々のパートナーとして最高の存在となりえる。
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