では初めて『猿の惑星』を鑑賞する人もいると思うので、まずは『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』『猿の惑星:新世紀(ライジング)』から旧作の『猿の惑星』へと、ご紹介していきましょう!
主人公の猿シーザーの成長を描くパート1
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011年度作品)アルツハイマーの治療薬を研究していた製薬会社は、新薬を雌のチンパンジーに試すとチンパンジーは知的進化を遂げたけれど、暴れたために射殺。ウィル(ジェームズ・フランコ)は、そのチンパンジーから赤ちゃん猿を引き取り、シーザーと名付けて育てることに。いつしか親子のような感情が生まれるウィルとシーザー。成長するにつれ、シーザーの知能はみるみる発達しますが、トラブルがきっかけでウィルとシーザーは無理やり引き離されてしまいます。シーザーは施設に送られ、そこで屈辱的な日々を送るうちに、シーザーは人間を憎むようになり……。
シーザーがどのように誕生し、猿の世界を築くようになっていくのかがよくわかる『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』。シーザーとウィルの出会いとシーザーの成長をスピーディ見せていきます。
シーザーは人間の身勝手から母猿と引き離され、人間に虐待され、人間に憎しみを抱いていく……。賢くなったがゆえに、負の感情も抱くようになったシーザーの怒りと悲しみ、ウィルとの関係のゆらぎなど、チンパンジーと人間の関係性の変化をエンタティメントとして昇華したところが素晴らしいです。
シーザー演じるアンディ・サーキスは『ロード・オブ・ザ・リング』では、物語の鍵となるゴラムを熱演していました。覚えている人もいるでしょう。あれも人間じゃなかった……。でもアンディ・サーキスをそういうキワモノ系の役者と思ってはいけません! 人間の役じゃなくても見る者の心をガシっと掴む演技ができるっていうのはスゴイことなのですから。
ルパート・ワイアットは本作が監督デビュー2作目ですが、キャラクターの造形に長けて、なおかつ演出のテンポもよく最初から畳み掛ける展開でまったく飽きさせません! 凄い才能が出てきたもんだと驚きですよ。
監督:ルパート・ワイアット 出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン、アンディ・サーキスほか
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