広さの理由はモジュールにある
同じような延床面積だったり、似たような間取りなのに他の住宅より広く見えると言われる家は、大抵の場合、モジュールに秘密があります。モジュールとは、基準寸法のこと。一般に建物などを建築するとき、材料の長さや幅などはモジュールがもとになっており、柱と柱の間隔、空間の広さなどはモジュールの倍数を基本につくられます。
廊下や出入り口はモジュールの影響を受けやすい場所だと言えるでしょう
・尺モジュール 910mm
・メーターモジュール 100mm
・インチ・フィートモジュール 1218mm
広く見える住宅の多くは、インチ・フィートモジュールを採用していることが多いので、ドアの幅が広かったり、階段がゆったりと感じられ、他の住宅より広々とした印象になるのです。
モジュールが違うとどうして広くなる?
上の3種類のモジュールを見て、インチ・フィートモジュールの数値が一番大きいのは明らかですが、このモジュールの数値が違うと、なぜ、空間の広さが変わってくるのでしょうか。廊下を例にとって説明しましょう。
モジュールは、柱や壁をつくり、部屋をつくりあげていくときの基準となります。尺モジュールであれば、910mmを基準とした材料でつくり上げるわけですから、廊下の幅は壁の芯々(壁の中心からもう一方の壁の中心までの間隔)で910mm。実際には、壁の下地をつくって壁紙など仕上げをするので、廊下として使える有効幅はもっと小さくなります。
同様にメーターモジュールの場合の廊下は壁の芯々で100mm、インチ・フィートモジュールは1218mm。壁の仕上げが同じだとすると、家の廊下の幅が一番広いのはインチ・フィートモジュールの家だということがわかっていただけるでしょう。
部屋をつくるときも、廊下と同様のことがいえるので、同じような間取りを採用したとしても、インチ・フィートモジュールの住宅のほうが広くなる場合が多いのです。
次のページでは、インチ・フィートモジュールを選ぶときの注意点について見ていきましょう。