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明暗が分かれた8月の投資信託の資金流出入

このところ新規設定ファンドが大量の投資資金を集めて運用がスタートすることは少なくなりましたが、2014年8月は久し振りに新規設定ファンドが投資資金を集めました。また、年初から投資資金の流入が続いていたフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは資金流出となったことから、純資産総額ランキングのトップを巡る戦いが激化しています。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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高配当インフラ関連の一人勝ちは続く

野村アセットマネジメントの「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」は、2014年8月も1739億円もの投資資金の流入がありました。資金流入の1000億円超えは3ヵ月連続、資金流入トップは5ヵ月連続です。8月30日に新規買い付けが停止されたことから、連続記録が途切れるのではと思われましたが、9月8日より新規申し込みを再開。連続記録がどこまで続くのか注目しましょう。

資金流入の第2位は448億円、DIAMアセットマネジメントの「メディカル・サイエンス・ファンド」です。同投信は新規設定のファンドで、主として成長性の高い世界のバイオテクノロジー、医薬品、医療機器、ヘルスケア・サービスなどを投資対象としており、運用に当たっては、ジャナス・キャピタル・マネジメント・エルエルシーに運用の指図に関する権限を一部委託しています。

テーマ株ファンドなのでポートフォリオのコアにはなりにくいですが、運用が上手く行った場合はかなりの好成績が期待できるはずです。コアというより、サテライト的に投資すると面白いのかもしれません。

第5位にも大和証券投資信託委託の「ツインアクセル(ブラジル国債&オーストラリア小型株式)が331億円の投資資金を集めています。同投信は、ブラジル国債6割、4割をオーストラリアの小型株式に投資。約6年5ヵ月後(2021年1月)の満期償還時には、ブラジル国債部分でブラジル・レアルベースでの当初投資元本を確保を目指して運用されます。

その他、資金流入の上位の顔ぶれはあまり変わりませんが、アムンディ・ジャパンの「欧州・ハイ・イールド債券ファンド(豪ドル)」及び同投信のトルコリラコースの資金流入にブレーキがかかったようです。

グロソブの凋落が止まらない

ハイ・イールド債券を投資対象とするファンドで象徴的だったのは、フィデリティ投信の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」が、2014年に入って初めて投資資金が流出となりました。流出額は172億円と多くはないのですが、純資産総額ランキング2位だった新光投信の「新光US-REITオープン」は8月も268億円の資金流入でした。

純資産総額ランキング

純資産総額ランキング


ハイ・イールド債券を投資対象とする投資信託からの資金流出、資金流入にブレーキがかかったのは、米国のイエレンFRB議長が低格付けのハイ・イールド債券を「評価されすぎ」と発言したのが影響したようです。

純資産総額ランキング1位、2位の投資信託の投資資金の流出入に明暗が分かれたことから、9月に入り純資産総額ランキングは混戦模様となっています。9月2日時点では、新光US-REITオープンがフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドを抜いてトップに立ったのですが、翌9月3日には再び1位と2位が入れ代わったのです。

しかしながら、図にあるように2014年9月9日現在では、新光US-REITオープンが1位、2位は野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)、3位がフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドと目まぐるしく順位は変動しています。

気になるのが第4位の国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」です。2014年8月も225億円もの資金流出となっていることです。第5位の日興アセットマネジメントの「ラサール・グローバルREITオープン(毎月分配型)」が353億円の資金流入であることから、9月中に順位が逆転する可能性があるからです。資金流出とはなっていますが、大和証券投資信託委託の「ブラジル・ボンド・オープン」は、111億円の流出と2014年7月から半減しています。
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