Dust Heaven
松見:こちらからはまずDust Heavenをご紹介。Alexander Grechanykを中心としたダークエレクトロユニットです。2001年の結成~2006年頃まで在籍していたAnastasia Bukinaは、オデッサフィルハーモニー管弦楽団のソリストを務める才色兼備なボーカリスト。現在はジャズシンガーとしても活動しているようです。
завтра (Tomorrow) (YouTube)
その後、Anastasiaの脱退から間を空けて2010年、Valeria Finikopuloを新たなボーカルに迎えて活動を再開しています。こちらはちょっと攻撃的な小悪魔系女子で、上品なブロンドのAnastasia嬢と好対照。
Let's Play This Part (YouTube)
そのほか彼らはカヴァー曲もいくつか発表しています。『Depeche Matika』というDepeche Modeのダークエレクトロ系トリビュートアルバム参加のためにカヴァーした「Walking In My Shoes」や、なんとMadonnaの「Die Another Day」まで。意外とハマってます。
Die Another Day (YouTube)
Walking in My Shoes (YouTube)
ガイド:
確かにヴォーカルの女の子は180度変わりましたね。個人的には、最初のAnastasiaちゃんの方がアンニュイで好みです。欧米でのDepeche Modeの人気は根強く、特にダークウェイヴ系の人たちのお手本的存在ですね。僕も初期は好きなんですが、信者のような人が結構いる感じがします。
Dust Heaven (official)
Stereolizza
ガイド:Stereolizza(2009年迄はStereolizaと表記していました)はウクライナのキエフ出身のLizzaとAlecZeroの二人からなるデュオですが、現在はアメリカのLAを活動拠点に移しました。面白いことに最初は、7人編成のジャズのカヴァーバンドとしてスタートしました。結構、芸歴が長い人たちで、2005年頃に「X.Y.Z.」がウクライナ、ロシア、ポーランドなどでヒット。しかし、またこの頃、Blondieの「Rapture」のカヴァーもしています。
X.Y.Z. (YouTube)
Rapture (YouTube)
X-Amine Your Zippa (amazon.co.jp)
最近のこの曲を聴くと、ちょっとビッチなKylie Minogueみたいな路線。でも、タイトルからロシアの同じくビッチなSerebroの「Mama Lover」を連想してしまいます。お決まりのPLAYBOY誌の表紙にもLizzaちゃんは登場!
Go Back to Your Mama (YouTube)
松見:
おお、ジャズバンドの面影すら無いほどに異なる路線ですが、Lizza嬢の緩急の利いた張りのあるボーカルのルーツになっているのかもしれませんね。
Bad News From Cosmos
松見:2010年に結成されたウクライナ南部の港町Mykolaiv(ムィコラーイウ)出身のBad News From Cosmos。国内外でのライヴを中心に活動しており、リリースしている音源もほとんどが非デジタル音源あるいはテープレコーディングによるもので、徹底してアナログな音作りを追究しているデュオです。ポピュラー音楽とは毛色の異なる質感のエレクトロサウンド、一聴に値します。2013年リリースのアルバム『kongogumi』のタイトルは"世界最古の企業"と称される社寺建築の会社である金剛組に由来しているのでしょうか。そして収録曲の中には「nippon-pop」という名前の楽曲もあり、ジャパニーズカルチャーからの影響も垣間見えます。
first on the coast (YouTube)
kongogumi (Bandcamp)
ガイド:
実は、仕事の関係で金剛組について調べた事があるんです。日本は長寿会社が一番多い国で、その中でも金剛組は世界での最長寿会社。でも、金剛組は2005年に経営悪化の結果、高松建設の一部となったのです。でも、屋号と職人さんは保たれているのは、救いです。もし、kongogumiが金剛組だとすれば、ウクライナ人が金剛組に注目した理由が知りたいです。