オフロード派以外にはFFモデルがおすすめ
新型チェロキーはFFと4WDを用意する。オフロード走行を積極的に楽しみたいと思うのでないかぎり、FFをおすすめしたい。街中でのハンドリングの軽快さ、高速走行の安定感、とりまわし易さ、どれをとっても、クラス平均点以上レベルにはなっていて、乗りやすい部類に入ると思う。パッケージングは、そこそこレベル。室内はお世辞にも広いとは言えない。そこは外観のデザインを重視したということか。もしくは、しょせん欧州Cセグメントベースという割り切りが、ヨーロッパ流に働いたのかもしれない。とにかく、これまた王風スタンダードにインテリアの見栄え質感もそこそこレベル。これはチェロキーの伝統みたいなものでもあるわけだから、笑って許そう。
残念だったのは、せっかく9速ATを採用したというのに、実燃費の良さに貢献しているとは思えないところ。高速走行ではそこそこ伸びる(それでも14~15km/lくらい)が、街中では確実に10km/lを切ってしまう。しかも、9速なのに、変速がさほどスムースでないことも気になった。フィアット謹製2.4マルチエアエンジンのパフォーマンスは悪くないけれども、ミッションとの相性チューニングが、まだまだ煮詰まっていないというところか。