しかし、実際には一人暮らしの方の自炊率は意外に高く、このような固定観念は賃貸住宅経営に悪影響を及ぼすこともあります。満室経営を実現させるためには、入居者の生活実態を知ることも重要なのです。
一人暮らしの入居者の「家事」の実態
株式会社オウチーノの調査によれば、実は、一人暮らしの入居者においても80%以上の方が週に1度は自宅で料理をしており、25%の方が毎日料理をしているそうです。ご承知の通り、一人暮らしの入居者の多くは20代~30代の若者となりますが、この世代の入居者は長引く不景気の中を育ってきたということもあり、節約の為に自炊をすることは最早当たり前であると考えている方が多いです。
また、生活家電の目覚ましい進化により家事全体の負担が大きく軽減されたことで、料理を「家事」としてではなく「趣味」として楽しむ若者も増えているようです。
一人暮らしの入居者が料理を行う頻度
「快適なキッチン」へのニーズ
1口電気コンロ
旧式の仕様の賃貸住宅では、わずか1口の電気コンロしか備えていないお部屋も数多く存在していますが、不便であることは然ることながら、このタイプは火災を引き起こす原因にもなりかねない為、安全面の上でもガスやIHタイプに交換することが望ましいです。
手狭なワンルームを求める入居者には自炊をして節約をしたいとお考えの方が多く、特に老朽化ワンルーム物件をリフォームする際には、同じ価格帯の物件との差別化を図る上でも取り入れたい設備となります。
また、「料理を楽しめる環境」をテーマとするのであれば、併せて、余裕のあるサイズの冷蔵庫を置くスペースを確保したり、料理の際に出た生ごみをすぐに処理できるよう24時間ゴミ出しを可能にしたりすることで、更なる相乗効果が期待できます。
生活の中から生まれる本当の入居者ニーズ
空室対策に効果的なリフォームを行う為には入居者の本当のニーズを捉える必要がありますが、ニーズとは日々の生活の中から生まれてくるものです。日頃から、入居者や不動産会社の担当者と積極的にコミュニケーションを取り、現場の声に耳を傾けるように心掛けましょう。そのような生きた情報を賃貸住宅経営に取り入れる事で、空室対策に有効なリフォームが可能になるのです。