社会保険

10月1日から変更! 「育児休業給付金」実務取扱い

従業員が育児休業を取得した場合、雇用保険の「育児休業給付金」が受給可能です。今般この申請方法が変更されました。従来、一定就業日数以下の条件がありましたが、これを超えても一定労働時間以下(80時間以内)の場合には申請ができるような柔軟な制度への変更です。業務繁忙期でも受給しながらの就労が可能になるようシフト制等を採用してみてはいかがでしょうか。

小岩 和男

執筆者:小岩 和男

労務管理ガイド

平成26年10月1日~ 「育児休業給付金」の申請方法が柔軟になりました!

育児休業期間中に勤務した場合でも、受給できる可能性が高まりました

育児休業期間中に勤務した場合でも、受給できる可能性が高まりました

従業員(雇用保険被保険者)が育児休業を取得した場合、通常、給与は支給されません。いわゆる、ノーワークノーペイの原則です。その一方で給与補てんの意味合いで、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されることになっています。皆さんの中にも給付金実務を担当されている方がおられることでしょう。申請するには多様な条件がありますから申請の都度チェックは欠かせません。

そんな中、今般10月1日に申請手続き方法が変更されました。育児休業中に就業した場合の取り扱い方法の変更です。従来申請時には、一定就業日数以下の条件がありましたが、これを超えても一定労働時間以下の場合には申請ができるような柔軟な制度になったのです。

支給単位期間の就業時間が「80時間以下」であれば受給可に!

1.従 来 
「支給単位期間」中、「11日以上」就業 → 受給不可


「育児休業給付金」とは、育児休業を開始した日から起算した1カ月ごとを一単位(=「支給単位期間」)として支給がされる給付金です。従来、この「支給単位期間」 中に「11日以上」就業した場合は、その「支給単位期間」について給付金は支給されないことになっていました(就業日は「10日以下」が条件です)。

2.平成26年10月1日以降~ 
「支給単位期間」中、「11日以上」就業であっても、「80時間以下」の場合 → 受給可

今般、平成26年10月1日以降の最初の支給単位期間からは、支給単位期間中に「11日以上」就業した場合でも、就業していると認められる時間が「80時間以下」のときは、育児休業給付を支給することになったのです。

かなり柔軟な制度への変更です。育児休業期間中であっても、業務繁忙期に就業してもらう場合ってありますよね。従来日数制限があるため受給不可になっていたケースでも、今般の時間制限の条件によって受給可になる場合が想定されます。育児休業者が多い職場では、上記の時間制限の条件を踏まえたシフト等を組んでみましょう。業務繁忙期でも受給しながら就労が可能になります。

次の水色部分が支給単位期間です。各80時間以下の就業であれば受給可です。
育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて(厚生労働省)リーフレットより抜粋

育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて(厚生労働省)リーフレットより抜粋


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