4人に3人の子どもはダイニングで勉強している
多くの家庭でダイニングを使って勉強している
あまり知られていない、ダイニングでの勉強が及ぼす影響
近年「勉強が出来る子はダイニングテーブルで勉強している」という情報が頻繁に見られるようになりました。実際に、東大などに入学した子も高校時代までダイニングテーブルで勉強していた、という情報が雑誌やテレビでも取り上げられています。これらのことから分かるメリットについては追ってお話ししますが、ただこの情報だけを鵜呑みにしてダイニングテーブルで勉強をさせると、思ってもみなかった弊害を生じる可能性が大きく3つあります。1つ目は、姿勢です。ダイニングテーブルの天板は大体70cmほどあり、子どもにとっては高すぎます。また、ダイニングチェアーも大人サイズで設定されており、子どもが長時間座るのには不向きです。さらに、足が床から浮いてしまうため、集中力を保つことが難しくなるのも難点です。
2つ目は、目を悪くする危険性です。ダイニングの照明計画は、食事をするための明るさに設定しているため、勉強するための明るさを確保出来ていないケースが多いです。そのため、ダイニングで勉強をすることで、視力の低下を招いてしまうケースも出てきます。
3つ目は、ダイニングで勉強すると「学校の忘れ物が増える危険性がある」ということです。ダイニングで勉強している子どもも、勉強道具や教科書は子ども部屋に置いていることがほとんどです。翌日の学校の準備をする際、ダイニングと子ども部屋の行き来をする間に、集中力が途切れてしまい、結果忘れ物を増やしてしまうのです。
以上のように、ダイニングで勉強させる時にこれらのことが起こる可能性はこれまで盲点でした。まずはこの事実を押さえておきましょう。
母親の心理状態が及ぼす影響
ダイニングで勉強させる時にもう1つ忘れてはいけないのは親の存在です。もともと、ダイニングで勉強するのがいいと言われてきたことには理由があります。それは「親のそばで安心感を得ながら勉強出来るから」です。小さなころは、一人きりで行う作業は嫌いです。特に小学校低学年ぐらいまでは、一人きりでいるよりも常に親のそばにいたいという心理が子どもには働きます。そして、親のそばという場所の象徴が「ダイニング」です。ですので、ダイニングで勉強するのがいい、というよりも「親のそばで勉強出来る環境が子どもの集中力とやる気を伸ばすことが出来る」といったほうが正確でしょう。
しかし、これらの情報も鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、「そばにいる親の心理状態が子どもの集中力に大きく影響するから」です。例えば、ダイニングテーブルの上を汚したり散らかしたりするのが嫌な母親がいるとしましょう。この場合は、いくらダイニングテーブルの上で勉強させるのが良い、と情報で分かっていたとしても、「テーブルの上を汚されることで溜まる母親のストレス」のほうが、子どもに影響します。
「あ、消しゴムのカスを散らかさないで!」、「ああ、クレヨンがぬり絵からはみ出してテーブルがドロドロ!」などを声に出したり、または内心思ったりすると、わが子はそのことを察知し、オドオドしてしまいます。
ここで、大切なのは「そばにいる親が気持ち良くわが子を見守ってあげることが出来るかどうか?」です。ダイニングテーブルを汚されるのが嫌な母親の場合は、ダイニングテーブルで勉強させるよりも、汚してもいいようなテーブルやカウンターを別に用意してあげるほうがいいでしょう。
ダイニングで快適に勉強させるために知っておきたいこと
勉強に適した環境をつくるには
次に、目を悪くする危険性について。これは、電気スタンドやダイニングの照明器具の明るさを調整するなどして、手元が暗くならないようにすることがポイントです。
最後に忘れ物を減らすポイントについて。これは、ダイニング周りに教科書などを収納できる場所を作ることがポイントです。そうすることで、移動中に集中力が途切れる心配はありません。