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任天堂がDL版をAmazonで売る意味(3ページ目)

もしかしたら、ちょっと首を傾げた人もいたかもしれません。2014年8月27日、ネット通販大手のAmazonがそのサイト内に「ニンテンドーダウンロードストア」をオープンしました。そもそもオンラインゲーム販売サービスであるニンテンドーeショップで購入できるものを、なぜ、わざわざAmazonを経由させるのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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結局、お店でゲームを売る

ダウンロードカードの図

店頭でダウンロードカードの販売を始めると、明らかに売れ方に大きな変化がありました(イラスト 橋本モチチ)

Amazonでダウンロード版のゲームが買えるという話は、セブンイレブンなどでダウンロードコードが記載されたプリペイドカードが買えるという話と非常に近いものがあります。

インターネットが広まって、お店に頼らなくてもメーカーが直接ユーザーとやりとりして商品を売る方法があちこちで模索されたわけですが、結局のところ、相当ユーザーの生活に密着して購買行動の近くに迫っていけなければ、商品を売るのはとても難しいんですね。コアなファンだけに売るのであれば、むこうからわざわざアクセスしてくれますが、ほとんどの人はそこまでしてくれません。

自分の消費行動のサイクルから外れているだけで、面倒に感じますし、面倒であれば追いかけてもくれません。であれば、ユーザーの消費行動の範囲に商品を置くのが自然でしょう。そういう意味で、Amazonのニンテンドーダウンロードストアは理に適っています。一見余計な迂回のように見えて、ユーザーにゲームを届ける為に必要な道筋だということなんですね。

任天堂がコンビニなどの店頭やAmazonでダウンロードコードを売ることは、非常に興味深い出来事です。それは、紆余曲折を経て、結局、店舗の販売チャンネルでゲームを売るという選択をしていることに他ならないからです。

2014年後半は、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U」、「モンスターハンター4G」、「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」などなど、注目タイトルが目白押しです。それらの売れ方に注目すると、今回の施策によるダウンロード版の販売、さらにはパッケージ版の販売への影響も、より鮮明に見えてきそうです。

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