骨・筋肉・関節の病気/腱鞘炎・ドケルバン病・ばね指

腱鞘炎予防!手指や手首の負担を減らすエクササイズ

手を酷使した覚えがない人でも、ある日を境に手首に違和感を覚え、腱鞘炎の症状が出ることがあります。一度発症すると長引きやすい腱鞘炎は、日頃のエクササイズで予防していきましょう。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

いつの間にか手指や手首に負担がかかっていることも!

気付かないうちに腱鞘炎になりやすい生活をしていることも!

気付かないうちに腱鞘炎になりやすい生活をしていることも!

腱鞘炎は手を酷使した覚えがない人でも、ある日を境に手首に違和感を覚え、症状が出ることがあります。

実際に、手を酷使している割には異常が無いという人も周りにいませんか? 腱鞘炎になる心当たりのある人も無い人も、症状が出る前に予防・対策に取り組みましょう。というのも、発症してしまうと痛みが長引いてしまうケースが多いためです。


姿勢の悪さが関わっている可能性大!

手首や指を動かす筋肉が疲労しやすい状態が続くと、腱や腱鞘の炎症を招き、腱がなめらかに滑りにくくなることが考えられます。その状態が続く背景には、体の重心のズレ、いわゆる「姿勢の悪さ」が関わっている可能性が高いです。

仕事に集中していると姿勢の悪さに気が付かないことも多いです

仕事に集中していると姿勢の悪さに気が付かないことも多いです

デスクワークなどで椅子に座る姿勢をとる時間や、育児のために子供を抱きかかえる時間が長い人は、姿勢を楽に保つことができる重心線からズレてしまう状態になりやすい傾向があります。結果、部分的に筋肉疲労が強まり、いつも負担のかかりやすい姿勢へと変化していくことがあるのです。

また、無意識のうちに肩へも余計な力が入りやすくなり、首・肩周りの筋肉が緊張してコリやすくなる心配もあります。

手・指を酷使していないのに腱鞘炎になってしまった、という人は、不良姿勢による重心のズレが解消されず、手・指を動かす筋肉や関節に負担をかけ続けているのかもしれません。


姿勢が悪いと腕も動かしにくくなる

下記の動作を試すことによって、姿勢の悪さが腕の動きが制限し、手首へ負担をかけてしまうことを体験できます。

机の上に画用紙とペンを用意します。背中を丸くして座り、肩を前方へ入り込ませるような「猫背」姿勢をつくり座ってみましょう。その状態でペンを持ち、画用紙に大きな円を描いたり、文字を書いたりと、大きな動きと小さな動きを試してください。

猫背姿勢では、円はキレイかつ大きな円が描きにくいと思います。文字においても、肩や手首に力が入り書きにくかったり、下手な字になってしまうでしょう。姿勢が悪くなり重心がズレたまま、腕や手を動かすことによって首肩周りや腕がだるくなりやすく、無理がかかることがわかります。

パソコンやスマホの操作、食事、家事などあらゆる場面でも同様の状態になる可能性があります。いつも姿勢が悪くなっていると、手や腕の動かしにくさにも気が付かなくなってしまい、腱鞘炎の発症へ……と繋がることになります。


今日からチャレンジ! 腱鞘炎予防エクササイズ

そこで、日頃から取り組むべき予防方法は、なるべく姿勢の乱れを軽減させつつ、腕の筋肉疲労を和らげるものが良いでしょう。重心のズレが調整されて、姿勢がスッキリと保てるようになるだけでも、手、指への負担は軽減されます。

腕のストレッチ感覚も不快であれば、和らぐ角度に指先の方向を調整してください

腕のストレッチ感覚も不快であれば、和らぐ角度に指先の方向を調整してください

1. 平らな安定した場所に軽く足を開いて立ちます。そして右腕を床と平行になるように真横へ挙げます。このとき、肘は伸ばした状態、かつ指先を天井へ向けます。(腕の筋肉が少しストレッチされる程度に)





肩甲骨を中央へ寄せるのも大切なポイントです

肩甲骨を中央へ寄せるのも大切なポイントです

2. 挙げた腕の位置を少し後方へずらします。この時、右の肩甲骨を中央へ寄せる意識で動かしましょう。

そして、肩の付け根から腕をゆっくりと回すのですが、指先は天井方向へ向けたまま、手のひらで円を描くように動かすのがポイントです。腕の付け根や腕の筋肉がストレッチされた状態で、腕を動かすことになります。


腕の角度を変える時は、水平よりも上、水平よりも下などいろいろと試してください

腕の角度を変える時は、水平よりも上、水平よりも下などいろいろと試してください

3. 5回ほど回したら、腕の角度を少しずつ変えながら、同様に動かしてみましょう。1分間ほど行ったら、休憩してもOK。1分間×3回、左右行いましょう。






最初は無理せず、短時間・回数少な目から始めてみましょう

最初は無理せず、短時間・回数少な目から始めてみましょう

4. 同じ要領で、今度は指先の向きを変えて行います。床方向へ指先を向けます。こちらも、左右行いましょう。







腱鞘炎の症状が出ている時は、指先を天井方向や床方向に向けずに様子を見ながら試してみましょう。手首をリラックスさせた状態で、腕の付け根と肩甲骨の動きを意識して動かします。終わった後に、肩周りの力が抜けて姿勢保持が楽に感じたら成功です。


■腱鞘炎の基本情報はこちら
長引いてしまう腱鞘炎!予防のためのチェック方法
手首や指の痛みは腱鞘炎の疑いアリ!?

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