手首の痛みと言えば「腱鞘炎」?

手首が痛くなり始めると仕事への集中力が欠ける場合も!

手首が痛くなり始めると仕事への集中力が欠ける場合も!

「腱鞘炎(けんしょうえん)」という言葉、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

「手首が痛い時のことを腱鞘炎と呼ぶ」と思っている人がいるほど、手の症状の中ではポピュラーな「腱鞘炎」。実際には手首だけに起こるものではありませんが、手首や手足が腱鞘炎を起こしやすい部位であることは確かです。これらの腱鞘炎を予防するためにも、知識を整理しておきましょう。


腱鞘炎の原因は?

「腱鞘炎」は文字通り、「腱鞘」が炎症を起こすことを指します。日頃発症しやすい腱鞘炎の多くは、指や手首に負荷のかかるような、手・腕の筋肉の使い過ぎによるものです。ですが、酷使しているという自覚が無く、いつのまにか腱鞘炎と診断を受けるような症状に見舞われることもあります。また、外傷により細菌が入り感染することに起因する腱鞘炎や、糖尿病やリウマチなどの基礎疾患に関連して起こるケースもあります。


腱鞘ってどんなもの?

出勤するときに鞄を持つ、書類の出し入れをする、パソコンを操作する、などなど……手や指は1日の中でも、曲げたり伸ばしたりと頻繁に動いています。手や指を動かす筋肉が働く際、「腱鞘」を通っている「腱」がスムーズにスライドする仕組みです。

腱の浮き上がりを防ぐバンド固定の役割は、硬い「靭帯性腱鞘」が担っています。その内側に、潤滑油のある「滑膜性腱鞘」が裏打ちされ、腱の動きを滑らかにしています。手や指を曲げ伸ばしする際に負荷がかかり、腱や腱鞘が炎症してしまうと、痛みを生じることになります。また、その炎症により腱が腱鞘内をスムーズに通ることができなくなってしまいます。

 

ばね指(弾撥指)について

指の付け根が痛む他に曲げ伸ばしがスムーズではなくなるのもツライ症状です

指の付け根が痛む他に曲げ伸ばしがスムーズではなくなるのもツライ症状です

どの部位に腱鞘炎が起こるかによって症状が異なり、その呼び方も違ってきます。特に多くみられるもので「ばね指」がありますが、ばね指も腱鞘炎のひとつで、「弾撥指(だんぱつし)とも呼ばれます。指の曲げ伸ばしがスムーズではなくなり、指を伸ばす際に引っかかりを生じるようになります。指を伸ばそうとすると、ガックンとバネが弾かれたような動きをします。

指を曲げる腱と腱鞘の炎症による痛みを指の付け根に感じることが多く、親指、中指に発症しやすいです。状態が悪化すると腱や腱鞘が肥厚していくため、腱が腱鞘の中での通りを妨げられてしまうことになります。引っかかりだけではなく、さらなる悪化によって指が伸びなくなってしまうケースもあります。


ド・ケルバン病(de Quervain)について

手首の親指側が痛んだり腫れが生じたりします

手首の親指側が痛んだり腫れが生じたりします

手を広げようとして親指を動かすと、手首の親指側に痛みが走る「ド・ケルバン病」は女性に多く、狭窄性腱鞘炎とも呼ばれています。親指を伸ばすような動きの時に作用する腱や腱鞘の炎症により生じます。手首の痛みの他にも親指を屈伸させる動きが制限されたり、手首の親指側が腫れてしまうといった症状もみられます。

日常生活やスポーツなどによって手の親指に負担が生じることで、親指を伸ばす作用をする腱「短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん))」や、親指を広げる作用をする腱「長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん)」、それらが通る腱鞘が炎症・肥厚してしまうことが考えられます。また、妊娠や出産、更年期の女性に多くみられるのも特徴です。


腱鞘炎が治らない? セルフチェックと緩和ストレッチ法

代表的な腱鞘炎として「ばね指」と「ド・ケルバン病」を挙げましたが、他の部位でも腱鞘炎を起こす例があります。しかし手の場合は毎日使うため、腱鞘炎になった場合でも安静を保つことが難しく、症状を長引かせる要因のひとつになっています。

腱鞘炎になりやすい状態になっているかどうかは「長引いてしまう腱鞘炎!予防のためのチェック方法」でチェックを。腱鞘炎予防、緩和対策のためのストレッチやエクササイズを知りたい方は、「腱鞘炎予防!手指や手首の負担を減らすエクササイズ」をご覧ください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。