トルコ/トルコのグルメ・レストラン

羊の脳みそも! トルコで絶対に試したいモツ料理

トルコでは最近モツ料理が人気。ロカンタ(トルコの食堂)のメニューにもモツ料理が入るようになり、モツ専門のチェーンレストランも次々とオープンしています。だけど、実はトルコでは昔からモツ料理が酒の肴として人気があったのです。ここでは、そんなトルコのモツ料理を紹介します。

執筆者:安尾 亜紀

レストランから居酒屋まで! 豊富なトルコのモツ料理

シャンピヨンのココレッチ

B級グルメとしてのモツ料理代表格はココレッチ


Balik Pazari

タキシムのイスティクラル通り沿いにあるバルック ・パザル周辺には、モツ料理やシーフード店が多く、奥には居酒屋が軒を連ねる

トルコでは、ここ数年モツ系メニューが大人気。ちょっと前までモツと聞くと眉をしかめるトルコ女子も多かったのですが、最近では気軽に入れるモツ専門のチェーンレストランが増え、オシャレ系レストランでもメニューに一品はモツ系料理が載っているほどです。

そんなトルコで最近モードなモツ料理ですが、実は昔からオヤジたちの酒の肴として根強い人気を持っています。居酒屋にいくと、様々なモツ料理をつまみにラク(トルコの蒸留酒)を飲むおじさんがいっぱい!

モダンから伝統まで、ここではそんなトルコのモツ料理についてご紹介します。

 

トルコ料理のモツとは?

羊の頭

モツを専門とした肉屋さんの店頭にある、羊の頭のグリル

ラーレイシュケンベジシ

モツスープ専門店には、羊の内臓、足、脳みそなど様々なスープがそろっている

トルコ人にとって肉、とりわけ羊はメインのおかずです。このためトルコのモツ料理には羊が多く、日本人が魚のあらゆる部位を食べるように、トルコ人は羊のあらゆる部位を食べます。内臓はもちろんのこと、脳みそ、ほほの肉、足先、睾丸、挙句の果てには尻尾の脂分まで食材として使われており、食べ残す部位はほとんどないのではないか、というほど。今では少なくなってしまいましたが、モツ専門の肉屋さんなどにはあらゆる部位が売っているので、それを見るだけでもトルコのモツ文化を感じられるかもしれません。

 

アーシターネ「Gerdaniyye」

オスマン宮廷料理店アーシターネの羊の脳みそペーストは上品な盛り付け

オスマントルコ帝国時代の食文化を書物からひも解いて、当時のメニューを再現する試みで有名な「アーシターネ」という老舗オスマン宮廷料理レストランでは、冬メニューにいくつかモツ料理をそろえています。羊の脳みそペースト(1844年)や羊の足(1471年)、モツのハンバーグ(1695年)にカモの脾臓にお米を詰めて揚げたドルマ(1924年)など、料理名の隣に記入されている年号を見ていると、オスマントルコ帝国時代の宮廷でもずいぶん昔からモツ料理が食べられていたことが分かります。

それでは、トルコでお気軽に食べることのできるモツ料理にはどんなものがあるのか、見て行きましょう。

 

歌にもなった、ココレッチ

Kokorec

パンにはさんで食べるB級モツグルメ、ココレッチには香辛料がたっぷり

トルコでモツ系B級グルメといえば、なんといっても「ココレッチ」。音の響きのキュートさからか、「ココレッチ」という歌まで大ヒットしたことがあるほどです。
Mirkelamの「ココレッチ」>>>Kokorec

ココレッチとは、羊の腸をドネルケバブのようにぐるぐる回しながら炭火焼きにして、専門の包丁で細かく切り刻みながら香辛料をたっぷりかけたもので、通常パンなどにはさんで食べるのが定番。ときおり屋台販売も見られます。たっぷりふりかけられたチリやクミン、タイムといった香辛料が絶妙で、なんといってもビールのお供にぴったり。ぜひ、トルコのエフェスビールと一緒に食してほしい一品です。

トルコのエフェスビールについてはこちらの記事も>>>トルコのビール

飲んだら飲む、イシュケンベスープ

イシュケンベスープ

二日酔い対策(?)のイシュケンベスープ

こちらは牛の胃で作ったスープ。白濁の、こってりとした味が美味で、トルコ料理に飽きた頃に飲んでみると、どこかとんこつスープを思わせるコクがたまりません。各自お好みですが、たいてい生のにんにくをすりおろしたもの、お酢、レモン、オイルなどを入れることが多く、トルコ人はアルコールを飲んだ後の〆としてこのスープをいただくのが定番。トルコ人の間では二日酔いに効くという説があるらしく、日本のラーメン的存在かも。

もっともポピュラー! モツの揚げ物

モツ揚げ

揚げ物はモツ料理の中で一番ポピュラー

Edirne Tava Cigeri

エディルネのジエールタヴァはこのように薄切りタイプ

これはモツを塩入の小麦粉にまぶしてからカラット揚げたもので、四角いサイコロ状だと「アルバニア人のモツ揚げ(Arnavut Cigeri)」と呼ばれることもあり、薄く切って揚げたものは「ジエール・タヴァ(Ciger Tava)またはヤプラック・タヴァ(Yaprak Tava)」」と呼ばれています。後者はトルコ最西部の町、エディルネが有名で、名所・セリミエモスク周辺には専門店がいくつか並んでいます。なんでも、この地方で育つ豊富な草を食べて育った羊や牛の内臓はとりわけ美味しいのだとか。トルコのモツ料理としては一番とっつきやすいメニューで、最近ではオシャレ系レストランにもこのメニューがあるところが増えています。

一度ハマればクセになる!? 羊の脳みそ

羊の脳みそ

塩とお酢が入ったお湯でゆでてレモンで和えるだけ。スライスしてサラダと一緒に食べることが多い。これはカラキョイロカンタスのメゼ(冷菜)

この他トルコで食されるモツ料理としては羊の脳みそがあります。これもラクと一緒に食べることが多い料理で、ゆでた脳みそをそのままレモンで和えたもの。見た目はかなりグロテスクですが、口にしてみると、なんとなくチーズのような食感で味は濃厚です。脳みそスープもあります。

次のページでは、トルコでモツ料理が楽しめるお店を紹介します!
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